1. はじめに:フリーランスが源泉徴収で損しないために(2025年版)
フリーランスとして報酬を受け取るようになると、同じ金額を請求したはずなのに「振り込まれた金額が少ない」「請求書の書き方が合っているのか不安」と感じる場面が出てくるかもしれません。
その代表例が フリーランスの源泉徴収 です。源泉徴収は、あなたの手取り(キャッシュフロー)に直接影響し、さらに年1回の確定申告で「精算」されるため、理解があいまいだと地味に損が積み上がりやすい論点です。
特にエンジニアの方はややこしくて、次のような“ズレ”が起きがちです。
- エンジニア業務は源泉徴収「対象外」が多い一方で、
UIデザイン、記事執筆、講師、著作物利用などが混ざると 源泉徴収「対象」になり得る(=案件によって扱いが変わる) - クライアント側が慣習で「とりあえず引く」ケースがあり、本来は不要なのに源泉徴収されることもある(交渉・説明が必要になることがある)
- 請求書の消費税の書き方しだいで、源泉徴収の計算対象が変わり、手取りに差が出ることがある(区分記載の重要性)
- 年末に支払調書が届かない/情報が揃わないまま確定申告に突入して、源泉徴収税額の転記漏れ=二重払いが起きる
このあたりを放置すると、「よく分からないから毎回少し損する」状態になりやすいです。逆にいえば、仕組みと実務ポイントを先に押さえておけば、損はかなり潰せると思います。
この記事でわかること(フリーランス 源泉徴収で迷うポイントを実務に落とす)
このガイドでは、フリーランス(とくにフリーランスエンジニアの方)が迷いやすい順に、次を整理します。
- 源泉徴収とは何か(誰が・いつ・何を基準に差し引くのか)
- フリーランス源泉徴収の対象業務/対象外業務(エンジニア業務の注意点も含めて)
- 源泉徴収の計算(10.21%・20.42%など、復興特別所得税を含む考え方)
- 請求書・入金・支払通知の照合(どこを見れば源泉徴収が分かるか)
- 確定申告で損しないための記録と入力(源泉徴収税額の集計・転記・還付の考え方)
「制度の説明」で終わらせず、請求書をどう書くか/入金がズレたら何を確認するか/確定申告でどう精算するかまで、作業に落とせる形を目指します。
先に結論だけ:源泉徴収は“前払い”なので、確定申告で精算されます
源泉徴収は、報酬を支払う側(クライアント)が、一定の報酬について税金を差し引き、国に納付する仕組みです。
フリーランス側から見ると、ざっくり 「税金の前払い」→確定申告で年間分を精算 という流れになります。
なので、源泉徴収があること自体が“損”とは限りません。
ただし、次のどれかが起きると損になりやすいです。
- そもそも対象外なのに引かれている(=不要なキャッシュアウトが発生)
- 計算の基礎がズレている(請求書の書き方・税込一括など)
- 確定申告で「源泉徴収税額」の計上が漏れる(=二重払い)
この記事は、この3つを潰すための実務ガイドだと思っていただければ大丈夫です。
これから独立する方へ:源泉徴収は“単価交渉”と同じくらい手取りに効きます
独立前後は、単価や案件選びに意識が寄りやすいと思うのですが、実務では 「同じ単価でも、手取りと資金繰りがブレる要因」 がいくつかあります。源泉徴収はその代表格です。
- 月末締め・翌月末払い × 源泉徴収あり → 手元資金が思ったより残らない
- 年明けにまとめて精算(確定申告) → 申告が遅れると還付も遅れる
- 案件が複数になるほど集計が崩れやすい → 記録が雑だと申告ミスが起きる
なので、**「最初に型を作る」**のが一番ラクです。
請求書のテンプレ、入金チェックの観点、月次の集計ルールを最初から決めておくと、確定申告のストレスがかなり減ると思います。
これからフリーランスエンジニアとして活動を始める方は、あわせてこちらもご覧ください。
参考
2. フリーランスの源泉徴収の基礎知識
「フリーランス 源泉徴収」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、やることは意外とシンプルで、“報酬の支払い時点で、所得税(+復興特別所得税)をいったん天引きしておく仕組み” だと捉えると理解しやすいと思います。
この章では、まず「誰が・いつ・何を」源泉徴収するのか、そして2025年時点で実務上つまずきやすいポイントを整理します。
源泉徴収とは?フリーランス報酬にかかる「税金の前払い」
源泉徴収とは、クライアント(支払者)が報酬を支払う際に、所得税および復興特別所得税をあらかじめ差し引き、国に納付する仕組みです。
フリーランス側から見ると、「税金の前払い」→ 年1回の確定申告で精算 という流れになります。
ざっくり流れ(イメージ)
- あなたが請求書を発行する(税抜/消費税/源泉徴収の対象可否を整理)
- クライアントが支払い時に源泉徴収税額を差し引いて振り込む(=手取りが減る)
- あなたは確定申告で、1年分の所得と税額を計算し、源泉徴収された税額を差し引いて精算する(還付になることもあります)
ここで大事なのは、源泉徴収=最終的な税額が確定したわけではない点です。
源泉徴収は“途中精算”なので、確定申告で調整して初めて「払い過ぎ/不足」が確定します。
2025年に押さえたいフリーランス源泉徴収のポイント
2025年時点の実務で、特に事故が起きやすいポイントを3つに絞って整理します。
1) 復興特別所得税の継続(10.21% / 20.42%の前提)
源泉徴収では、所得税に加えて復興特別所得税もあわせて徴収されます。
国税庁の整理では、対象期間(2013年1月1日〜2037年12月31日)に生ずる所得について、源泉徴収の際に復興特別所得税を併せて徴収する扱いになっています。
その結果、たとえば 原稿料・講演料など の代表的な区分では、源泉税率(所得税+復興特別所得税の合計)が次の計算になります。
- 100万円以下の部分:10.21%
- 100万円を超える部分:20.42%(※計算式は後段の「計算方法」で詳しく扱います)
※上の税率・計算式は、国税庁の「原稿料や講演料等を支払ったとき(No.2795)」の整理に沿ったものです。
(なお、源泉徴収の対象となる報酬の“種類”によって、扱いが異なることがあるため、業務の区分は後の章で具体例と一緒に確認するのが安全です。)
2) インボイス制度後も「消費税の書き方」で手取りが変わり得る
源泉徴収の計算対象は、原則として「報酬として支払った金額の全部(消費税等込み)」になります。
ただし、請求書等で「報酬・料金」と「消費税等」が明確に区分されている場合は、消費税等を除いた金額のみを源泉徴収の対象としても差し支えないと国税庁が示しています。
つまり実務では、請求書で “税抜金額+消費税” を区分記載するだけで、源泉徴収の計算ベースが適正化され、手取りのブレを抑えやすくなります。
3) 「誰が源泉徴収するのか」を先に押さえる(源泉徴収義務者)
源泉徴収は、基本的に**支払者(クライアント側)**が行います。
国税庁の整理では、国内で源泉徴収の対象となる報酬・料金等を支払う者は、支払う際に源泉徴収が必要になります。
一方で、支払者が個人で一定の条件に当てはまる場合など、源泉徴収が不要となるケースも示されています。
この「支払者が源泉徴収義務者かどうか」は、フリーランス側ではコントロールしづらいので、契約前に“源泉徴収の有無”をすり合わせておくのが現実的です。
なぜクライアントが源泉徴収するのか
源泉徴収があるのは、税金を「あとから各人がまとめて払う」よりも、支払時点で一定額を確保して納付する方が、徴収漏れを防ぎやすいからだと理解するとスッキリします。
フリーランス側にとっては手取りが減る要因に見えますが、制度上は「前払い」なので、確定申告で過不足が調整される前提です。
フリーランスが源泉徴収を理解すべき理由(エンジニア視点で“得する実務”)
源泉徴収を押さえておくと、特に次の3つがラクになります。
- 請求書で迷いにくくなる
「区分記載(税抜+消費税)」「源泉徴収の対象かどうか」など、相手に説明できる形で整理しやすくなります。 - 手取り(キャッシュフロー)の見通しが立つ
同じ請求額でも、源泉徴収の有無で入金額が変わります。月次の資金繰りを崩しにくくなります。 - 確定申告で“計上漏れ”を防ぎやすい
源泉徴収された税額は、確定申告の精算で重要になります。
ただ、支払調書は税務署に提出される仕組みが中心で、実務上は手元に揃わないこともあるため、請求書控え・入金記録・支払通知で集計できるようにしておくと安心です。
(支払調書が届いた場合は突合すると精度が上がります。)
参考
- No.2793 報酬・料金等の源泉徴収義務者
- No.2507 復興特別所得税の源泉徴収
- No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
- No.6929 消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税
- No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等
3. フリーランスの源泉徴収|対象業務・対象外業務
「フリーランス 源泉徴収」は、“フリーランスなら必ず引かれる”ものではなく、業務内容が国税庁の示す対象範囲に当てはまるかどうかで扱いが変わります。
特にエンジニアは、開発そのものは対象外になりやすい一方で、周辺業務(デザイン・執筆・登壇など)が混ざると対象になり得るため、ここを整理しておくと安心です。
まず押さえたい前提:源泉徴収は「業務内容」×「受け取り手(個人/法人)」で見え方が変わる
国税庁の整理では、源泉徴収の対象となる報酬・料金等は、支払を受ける者が「居住者(個人)」か「内国法人」かによって範囲が異なります。
たとえば、同じ業務でも「個人として受け取っているのか」「法人(合同会社など)として受け取っているのか」で扱いが変わることがあるため、まずはご自身の受け取り形態を前提として整理するとスムーズです。
源泉徴収されるケース(具体例)
国税庁(No.2792)では、源泉徴収の対象となる報酬・料金等の代表例が列挙されています。
エンジニアの実務で絡みやすいのは、主に次のタイプです。
1) 原稿料・講演料など(エンジニアでも混ざりやすい)
- 技術記事の執筆・監修(オウンドメディア寄稿、ホワイトペーパー作成、導入事例の原稿作成 など)
- 登壇・研修・ハンズオンの講師(ウェビナー、社内勉強会の講師、研修コンテンツ提供 など)
- 周辺の名目でも実態が同じなら対象になり得る
- 「謝金」「調査費」「車代」などの名目でも、実態が原稿料・講演料と同じなら源泉徴収の対象になり得る、と整理されています。
また、旅費・宿泊費についても、原則は報酬に含まれますが、支払者がホテル等へ直接支払う場合は報酬に含めなくてもよいという扱いが示されています。
(交通費・宿泊費の精算が多い案件は、ここで差が出やすいです)
2) 特定の資格を持つ人に支払う報酬(士業など)
エンジニア本人が該当しなくても、フリーランスとして活動する中で、契約書レビュー等で士業に支払う場面があり得ます。
この場合は支払側(あなた側)として源泉徴収が必要になるケースがあるため、「外注=全部同じ」にならないよう注意が必要です。
3) “成果物の扱い”が「利用許諾(ライセンス料)」に寄るケース
エンジニア案件でも、報酬の内訳が「開発費」ではなく、**著作物・権利の使用料(利用許諾)**に近い形になると、源泉徴収の対象として検討が必要になることがあります。
たとえば「テンプレート・教材・コンテンツの使用料」「著作物の利用許諾」など、契約の建て付けが“役務提供”ではなく“使用料”になっているケースです。
(この判断は契約形態と実態に左右されるため、迷う場合はクライアントに根拠区分を確認できると安心です)
源泉徴収されないケース(原則と注意点)
原則:一般的な開発・運用は「対象業務の列挙」に当てはまらないことが多い
プログラミング、Webサイト制作(開発部分)、システム開発、インフラ構築、保守運用、テスト、PM/ディレクションなどの一般的なエンジニア業務は、国税庁(No.2792)が示す「源泉徴収の対象となる代表例」にそのまま当てはまらないことが多いです。
そのためフリーランスエンジニアでは、源泉徴収が発生しない取引も珍しくありません。
ただし、ここで油断しやすいのが次のパターンです。
注意:同じ案件に「対象になり得る業務」が混ざると話が変わる
- 開発+LP/バナーなどのデザイン制作
- 開発+マニュアル/ホワイトペーパーなどの執筆
- 開発+研修・登壇などの講師業
- 開発費とは別に、テンプレ・教材の利用許諾料が立っている
こういう混在があると、請求書を一括で出した結果、クライアント側が判断できずに「とりあえず源泉徴収」になることがあります。
予防策としては、請求書の内訳を分けるのが現実的です(例:開発費/デザイン費/執筆費/講師料など)。
クライアントが誤って源泉徴収してきたときの実務対応(揉めない進め方)
実務では「相手が会計処理の都合で一律に引いてしまう」こともあるので、次の順で淡々と整理できると楽です。
- 業務内容(契約書・発注書・請求書の内訳)を確認
- 国税庁の対象範囲(No.2792)に照らし、どの区分に当たる想定かをすり合わせる
- 次回以降の請求書で、内訳を分けたうえで「源泉徴収の想定」を明記する
請求書に入れられる文面例(やわらかめ):
- 「本請求はシステム開発(プログラミング等)に係る対価の想定です。源泉徴収の要否について、必要な場合は該当する区分(根拠)をご教示いただけますと幸いです。」
※すでに差し引かれている場合は、支払通知書などで源泉徴収額の根拠が分かる形を残しておくと、確定申告時の集計が安定します(支払調書が届かないケースもあり得るためです)。
エンジニアとしてのキャリアパスや業務内容について詳しく知りたい方は、エンジニアになるには完全ガイドをご覧ください。
参考
4.フリーランス源泉徴収の計算方法(2025年最新版)
以下は『原稿料・講演料等』の計算例です。源泉徴収は報酬の種類で取扱いが異なります。
消費税の扱いに注意:源泉徴収の計算で損する落とし穴
源泉徴収の計算において、消費税の扱いは特に注意が必要です。原則として、請求が税込一括表示されている場合は、税込額を基礎として源泉徴収額を計算します。しかし、請求書で報酬(本体)と消費税が明確に区分されていれば、本体価格のみを基礎として計算することが可能です。このルールは、インボイス制度開始後も2025年現在は変わっていません。将来的な制度改正には注意が必要です。
報酬100万円以下の源泉徴収|計算方法
報酬が100万円以下の場合の源泉徴収税額は、以下の計算式で求められます。
税額=(源泉の基礎額)× 10.21%
例えば、報酬80万円(税抜)、消費税8万円、請求総額88万円の場合を考えてみましょう。請求書で報酬と消費税が区分記載されていれば、基礎額は80万円となり、源泉徴収税額は800,000円 × 10.21% = 81,680円です。手取りは798,320円となります。
もし区分記載がなく総額表示の場合、基礎額は88万円となり、源泉徴収税額は880,000円 × 10.21% = 89,848円です。この場合の手取りは790,152円となり、区分記載の有無で手取り額が変わる点に注意が必要です。
区分記載あり/なしで手取りはどう変わる?(100万円以下)
| パターン | 報酬本体 | 消費税 | 請求総額 | 源泉徴収の基礎額 | 源泉税額(10.21%) | 実際の手取り |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A:区分記載あり | 800,000円 | 80,000円 | 880,000円 | 800,000円 | 81,680円 | 798,320円 |
| B:総額表示のみ | 880,000円 | ― | 880,000円 | 880,000円 | 89,848円 | 790,152円 |
同じ「請求総額88万円」でも、区分記載の有無によって手取りが8,168円変わることがわかります。
報酬100万円超の源泉徴収|計算方法
報酬が100万円を超える場合の源泉徴収税額は、計算式が少し複雑になります。
税額=(基礎額 − 1,000,000)× 20.42% + 102,100円
例えば、報酬120万円(税抜・区分記載ありを前提)の場合、源泉徴収税額は(1,200,000円 − 1,000,000円)× 20.42% + 102,100円 = 142,940円となります。
手取り額から逆算する方法(実務で役立つ)
クライアントから「手取り10万円にしてください」と提示されるケースも実務ではよくあります。この場合、手取り額から支払総額を逆算することができます(100万円以下・区分記載ありを前提)。
支払総額 = 手取り ÷(1 − 0.1021)= 手取り ÷ 0.8979
源泉税額 = 支払総額 × 0.1021
例えば、手取り10万円の場合、支払総額は100,000円 ÷ 0.8979 = 111,370円(1円未満切捨て)となります。この場合の源泉徴収税額は11,370円です。この係数0.8979は、源泉税率10.21%の単純な変形から導き出されます。
参考サイト:国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
5. フリーランスの源泉徴収の確認と納付期限
「フリーランス 源泉徴収」で実務のミスが出やすいのは、制度理解よりも “入金確認の運用” です。
請求書どおりに入金されない理由は、源泉徴収だけでなく「振込手数料」「一部入金」「税込/税抜の解釈違い」など複数あり得るため、照合の型を作っておくと確定申告まで一気に楽になります。
入金額と請求額の照合でフリーランスの源泉徴収を確認
1) まずは「3点セット」で照合する(これが最短ルートです)
入金があったら、次の3つをワンセットで確認しておくと迷いにくいです。
- 請求書(控え):税抜金額/消費税/合計、源泉徴収の想定、内訳
- 支払通知書(支払明細):源泉徴収額、振込手数料、控除項目(ある場合)
- 通帳・Web明細(入金記録):実際の振込額
支払通知書がない場合でも、請求書と入金記録があれば確定申告は進められます。
ただ、後で集計が崩れやすいので、可能なら「源泉徴収額が分かる明細」をもらえると安心です。
2) 「入金が少ない=源泉徴収」と決めつけない(よくある差額パターン)
入金が請求額より少ないとき、原因はざっくり次のどれかが多いです。
- 源泉徴収が引かれている
- 振込手数料が差し引かれている(相手負担になっている)
- 一部入金(分割払い)
- 税込/税抜や、消費税の区分記載の扱いがズレている
- 相殺(前月の立替精算や返金が混ざっている)
なので、差額が出たら「源泉徴収だけ」を探しに行くより、まず 控除項目の棚卸し をすると早いと思います。
3) 照合の手順(おすすめの順番)
以下の順で見ていくと、原因が切り分けやすいです。
- 請求書の「合計金額」と入金額の差額を出す
- 支払通知書があれば、**控除内訳(源泉徴収・振込手数料など)**と一致するか確認
- 支払通知書がなければ、クライアントに「控除内訳」を確認する
- 源泉徴収なら、**対象額(税抜か税込か)**の前提が合っているか確認する
- ※消費税の区分記載の有無で、源泉徴収の計算対象が変わることがあります(この点は第4章の計算方法とセットで確認すると安全です)
4) 記録の型:1案件=1行で残す(確定申告で詰まらない)
フリーランスの源泉徴収は、案件が増えるほど集計がズレやすいので、最低限この項目だけ残しておくのがおすすめです。
- 請求日/入金日
- クライアント名/案件名
- 税抜金額/消費税/請求合計
- 源泉徴収額(あれば根拠の明細)
- 振込手数料(差し引かれた場合)
- 実入金額
「支払調書が来ない」ケースもあり得るため、日々の記録がそのまま確定申告の根拠になります。
源泉徴収税の納付期限(クライアント側)と納期の特例
ここは誤解が起きやすいのですが、**源泉徴収された税金を納付するのは、原則として支払者(クライアント側)**です。
あなたが代理で納付するものではありません。あなた側で重要なのは、確定申告のために 「いくら源泉徴収されたか」を証拠つきで把握することだと思います。
1) 原則の納付期限:支払った月の「翌月10日」
源泉徴収した所得税および復興特別所得税は、原則として 支払った月の翌月10日が納付期限です。
(e-Taxで納付、または納付書を添えて金融機関・税務署窓口で納付、という流れが案内されています)
2) 原稿料・講演料は「納期の特例」の対象外(毎回 翌月10日)
原稿料や講演料などから源泉徴収した税額は、納期の特例の対象にならないと整理されています。
そのため、クライアントは 都度、翌月10日までに納付する扱いになります。
- 参考:国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
3) 弁護士・税理士等への報酬は「納期の特例」が使える場合がある
弁護士や税理士等に支払う報酬・料金から源泉徴収した税額も、原則は 翌月10日です。
ただし、支払者が「納期の特例」の適用を受けている場合、次の期限にまとめて納付できます。
- 1月〜6月に源泉徴収した分:7月10日まで
- 7月〜12月に源泉徴収した分:翌年1月20日まで
フリーランスエンジニアの方でも、税理士・弁護士に報酬を支払う側になることがあるため、
「自分は受け取る側だから関係ない」とは言い切れない論点です(支払者として源泉徴収が必要なケースがあります)。
✅ ワンポイント(この章の結論)
- あなたがまずやるべきは、請求書×入金×(あれば)支払通知書の照合です。
- 納付は基本的にクライアント側の義務ですが、あなたは確定申告のために 源泉徴収額の証跡を残しておくのが重要です。
- 納期の特例は万能ではなく、原稿料・講演料は対象外など例外があります。
6. フリーランスの源泉徴収|確定申告で損しない3つのポイント
フリーランスの源泉徴収は「引かれて終わり」ではなく、確定申告で精算してはじめて完結します。
逆に言うと、確定申告での入力・集計が雑だと、“すでに前払いした税金を、なかったことにしてもう一回払う” 事故が起きやすいです。
ここでは、フリーランス 源泉徴収で損しないための重要ポイントを3つに絞って整理します。
1. 二重払いを防ぐ:フリーランス源泉徴収の「源泉徴収税額」欄の記入
確定申告(いわゆる申告書B相当:現在は「申告書第一表・第二表」)には、**「源泉徴収税額」**を記入する欄があります。
ここに1年間で天引きされた源泉徴収税額の合計を入れないと、精算で差し引かれず、結果として払い過ぎになる可能性があります。
集計の基本:まず「証拠の優先順位」を決める
次の順でそろえると、集計がブレにくいです。
- 支払通知書(支払明細):源泉徴収額が明記されていることが多い
- 通帳・Web明細(入金記録):入金日・金額(差額があれば理由を追える)
- 請求書控え:税抜・消費税・合計、内訳(源泉対象業務が混ざる時に効きます)
支払調書は届くこともありますが、届かないケースも想定して、上の3点で集計できる状態にしておくと安心です。
よくあるミス(ここだけ先に潰すと一気にラクです)
- “入金額”を足して終わる(源泉徴収額の合計が別で必要になります)
- 源泉徴収の対象外業務なのに引かれていた分を、放置して集計が崩れる
- クライアントごとに集計せず、後で照合できなくなる
- 所得の種類が多くて内訳欄に書ききれず、内訳が不明瞭になる
→ 書ききれない場合は「所得の内訳書」を使う案内があります。
添付がなくても通る、は「管理しなくていい」ではありません
国税庁の手引きでは、申告書について「源泉徴収票等の添付又は提示は不要」といった趣旨の案内があります。
ただし、これは“不要だから捨てていい”ではなく、聞かれたときに説明できる形で残しておくという意味で捉えておくのが安全です。
2. フリーランス源泉徴収の記録習慣:案件ごとの徴収額・手取り額を残す
フリーランス 源泉徴収で詰まる人の多くが、結局ここで詰まります。
「請求は合っているのに入金が合わない」を放置すると、確定申告で地獄を見やすいです。
1案件=1行(最低限これだけ)でOKです
Excel / スプレッドシートで、まずはこの列だけ作るのがおすすめです。
- 請求月(or 請求日)
- 入金日
- クライアント名
- 案件名(簡単でOK)
- 税抜金額
- 消費税
- 請求合計
- 源泉徴収額
- 振込手数料(差し引かれた場合)
- 実入金額
- メモ(対象業務が混ざる、相殺がある等)
この形にすると、
- クライアント別に「年間の源泉徴収税額」が集計できる
- 請求合計 −(源泉+手数料)=入金額、の整合が取りやすい
という状態になって、確定申告の“照合作業”がほぼ作業ゲーになります。
“源泉徴収の対象が混ざる案件”は、請求書の内訳を分ける
開発に加えて、執筆・講師・デザインなどが混ざると、先方が判断できずに一律で引くことがあります。
そういうときは、請求書の内訳を分けておくと、源泉徴収の要否をすり合わせやすいです(交渉が目的ではなく、整理が目的です)。
関連して、フリーランスとして活動する上でのトラブル回避は、こちらも参考になります。
3. フリーランス源泉徴収の還付:確定申告でお金を取り戻すチャンス
源泉徴収は前払いなので、年間の税額を計算した結果、払い過ぎなら還付されます。
還付の可能性が高くなるのは、たとえば次のようなときです。
- 経費が想定より多かった
- 各種控除(青色申告特別控除、小規模企業共済、社会保険料控除など)をしっかり入れた
- そもそも源泉徴収されているが、所得がそこまで大きくない(駆け出し期に起きやすい)
「取り戻せる期限」を押さえておく(5年が一つの目安)
- 還付申告は、原則として「その年の翌年1月1日から5年間」提出できます。
- すでに申告した内容が誤りで、払い過ぎになっていた場合などは、更正の請求という手続があり、原則として法定申告期限から5年以内とされています。
「昔、源泉徴収税額の記入を漏らしていたかも…」のようなケースは、ここに引っかかることがあります。
還付を早く受け取りたいとき:まず“状況確認できる状態”を作る
還付の処理スピードは申告内容や時期で変わりますが、e-Taxには還付金の処理状況(支払決定日等)を確認できる仕組みがあります。
また、目安として、処理状況が確認できるようになるタイミングは「e-Taxで還付申告→2週間程度経過後」「書面→1か月程度経過後」などと案内されています。 「まだ?遅い?」と不安になったときに、問い合わせ前に自分で見に行けるのは強いです。
💡 ワンポイントまとめ(この章だけは守る)
- 源泉徴収税額は“入金”とは別管理し、確定申告で必ず精算に乗せる
- 1案件=1行で、請求→控除→入金の整合が取れるようにする
- 還付は「取り戻せる期限(5年目安)」があるので、気づいたら早めに動く
7.【付録】フリーランスの源泉徴収チェックリスト(確定申告前の確認)
確定申告が近づくと、「フリーランス 源泉徴収って、結局どこを見て何を確認すればいいんだろう…」と不安になりやすいかもしれません。
ここでは、“迷ったらこの順で潰す” という実務の型を、チェックリストに落とし込みました。
(できれば、年1回ではなく 月次で回す と負担が一気に軽くなると思います。)
✅ 0. まず全体の前提チェック(5分で終わるやつ)
- 今年の「受け取り方」は 個人(屋号)か 法人(会社)か、どちらか整理できていますか?
- 今年「源泉徴収が発生した可能性のある仕事」(執筆・講師・デザイン・監修など)が混ざっていませんか?
- 「請求書」「入金明細(通帳/明細)」「支払通知(あれば)」の3点が揃っていますか?
1. フリーランスの源泉徴収:契約書での源泉徴収有無の明記
契約の段階で、“後から揉める原因” を潰しておくのがいちばん効きます。
- 報酬の表記は 税込 / 税抜 のどちらですか?
- 源泉徴収が 発生する/しない 想定を、契約書・発注書・メールのどこかに残していますか?
- 源泉徴収の対象になり得る業務が混ざる場合、内訳(業務区分) を契約に残していますか?
文面例(やわらかめ)
- 「本件報酬は(例:システム開発の役務提供)を想定しております。源泉徴収の要否について、貴社の運用上必要な場合は、対象区分(根拠)をご共有いただけますと幸いです。」
業務委託契約書の作成方法や注意点については、こちらも参考になります。
2. フリーランスの源泉徴収:請求書は本体価格と消費税を分けて記載
請求書の書き方で、源泉徴収の計算ベースがズレる ことがあるため、テンプレ化がおすすめです。
- 「税抜(報酬本体)」と「消費税」を 区分記載 していますか?
- “対象になり得る業務”が混ざる場合、内訳を分けて 記載していますか?(例:開発費/デザイン費/講師料 など)
- 振込手数料の負担(どちら負担か)を、請求書か契約で明確にしていますか?
請求書メモ例(控えめ)
- 「源泉徴収の要否につきまして、必要な場合は貴社規程に基づきご対応ください。差し引き内容が分かる明細(支払通知等)をご共有いただけますと助かります。」
3. フリーランスの源泉徴収:入金額と請求額の都度照合
ここを放置すると、確定申告で集計が崩れます。
「入金が少ない=源泉徴収」と決めつけない のがポイントです。
- 入金額 = 請求額 -(源泉徴収)-(振込手数料)になっていますか?
- 差額がある場合、原因は「源泉徴収」「振込手数料」「一部入金」「相殺」などに切り分けできていますか?
- 支払通知(支払明細)がある場合、源泉徴収額が明記されていますか?
差額が出た時の確認順(おすすめ)
- 請求書の合計と入金額の差を出す
- 支払通知(あれば)で控除項目を確認
- なければ、控除内訳の確認を依頼(メールでOK)
- 次回以降の請求書で内訳を分け、再発を防ぐ
4. フリーランスの源泉徴収:月次での源泉徴収額集計
年1回まとめるほど、ミスが出やすくなります。月次締めが現実的です。
- 毎月、クライアント別に「源泉徴収額の合計」を集計していますか?
- 「請求合計」「源泉徴収額」「実入金額」が、案件ごとに整合していますか?
- 記録は 1案件=1行(最低限)で残していますか?
最低限の列(これだけで十分回ります)
- 請求日 / 入金日 / クライアント / 案件名
- 税抜 / 消費税 / 請求合計
- 源泉徴収額 / 振込手数料 / 実入金額
- メモ(相殺・分割・対象業務が混ざる等)
5. フリーランスの源泉徴収:支払調書と自己記録の突合
支払調書は「届く前提」にしない方が安全かもしれません。届いたら“答え合わせ”に使うイメージです。
- 支払調書が届いた場合、あなたの集計(請求+入金+支払通知)と突合できていますか?
- 届かない場合でも、クライアント別に「源泉徴収額の根拠」を説明できる状態ですか?
6. フリーランスの源泉徴収:確定申告書への源泉徴収額合計の記入
ここが漏れると、二重払いになり得ます。
- 申告書の「源泉徴収税額」欄に、年間合計を記入していますか?
- クライアント別の内訳(根拠)を、手元で説明できる状態ですか?
- 「入金額を合計して終わり」になっていませんか?(源泉徴収額の合計は別管理が必要です)
7. フリーランスの源泉徴収:還付見込み時の早期申告
源泉徴収は前払いなので、状況によっては還付になることがあります。
還付が見込めるなら、申告を後ろ倒しにするメリットはあまり大きくないかもしれません。
- 経費・控除(青色申告特別控除、小規模企業共済、社会保険料控除など)の入力漏れがありませんか?
- 源泉徴収額の合計を正しく入れていますか?
- 還付が出そうなら、早めに申告する方針にしていますか?(資金繰りがラクになります)
✅ 最後に:チェックリストを“仕組み化”するコツ
- 「源泉徴収の確認」は、確定申告前のイベントではなく 毎月のルーティン に寄せる
- “源泉対象が混ざる案件”は、契約と請求書の 内訳で分ける(これが一番揉めにくい)
- 証拠は「請求書」「入金記録」「支払通知(あれば)」の3点を基本セットで保管する
8. フリーランス源泉徴収の判断フロー(30秒チェック)
「フリーランス 源泉徴収って、結局わたしの案件は引かれるの?」を最短で判断するために、実務向けのフローに落とします。
※最終判断に迷う場合は、クライアントの経理担当に「根拠区分(国税庁のどの分類を想定しているか)」を確認するのが安全です。
8.1 STEP1:受け取りは「個人」?「法人」?
- 個人(屋号含む)で受け取り → STEP2へ
- 法人(合同会社/株式会社)で受け取り → 一般に源泉徴収の対象外になる場面が多い一方、取引形態や相手区分で例外もあり得るため、契約・請求の段階でクライアント側の運用確認がおすすめです。
8.2 STEP2:支払者(クライアント)は「源泉徴収義務者」?
- 法人 → 原則、源泉徴収義務者になり得ます
- 個人(クライアントが個人事業主) → 源泉徴収が必要になる場合/不要な場合があり、支払者側の状況で変わります(迷う場合は「当社では源泉徴収が必要な支払者に該当しますか?」を確認するのが安全です)
8.3 STEP3:業務内容は「源泉徴収の対象になり得る区分」?
エンジニア案件で混ざりやすい代表例だけ挙げます。
- 技術記事の執筆・監修(原稿料に近い)
- 登壇・研修・ハンズオン講師(講演料に近い)
- デザイン制作(Web/UI/バナー等)
- 著作物・テンプレ・教材などの「利用許諾(使用料)」として整理される形
✅ 上のどれにも当たらず、純粋な開発・運用(プログラミング/インフラ/保守など)が中心なら、源泉徴収が発生しないケースも珍しくありません。
8.4 STEP4:請求書は「税抜+消費税」を区分記載できている?
源泉徴収の計算ベースがズレる原因の上位がここです。
- 区分記載できている → “報酬本体”を基礎に計算されやすくなります
- 税込一括(区分なし) → “税込総額”を基礎に計算され、手取りがブレやすくなります
9. フリーランス源泉徴収で多い「ズレ」パターンと対処(トラブルを潰す章)
制度理解よりも、実務は「ズレた時にどう直すか」が大事になりがちです。よくあるパターンを先に潰します。
9.1 税込一括で請求していて、源泉徴収が想定より大きい
症状:同じ請求総額なのに、区分記載のある時より手取りが減る
対処:
- 次回から請求書テンプレを「税抜+消費税+合計」に固定
- クライアントへは「消費税区分のため」とだけ伝えればOK(交渉ではなく“整備”)
9.2 交通費・宿泊費を含めて源泉徴収されている(またはされそう)
症状:交通費まで含まれて源泉が増える/明細が分からない
対処:
- 可能なら、交通費・宿泊費は「クライアントがホテル/交通機関へ直接支払う」形に寄せる
- 立替精算であなたに支払われる形の場合は、源泉の計算対象に含まれる前提で、明細(内訳)を残す
- どう処理しているかは、支払通知書(明細)で必ず確認
9.3 対象外っぽいのに源泉徴収されている(慣習で“とりあえず引く”)
症状:開発メインなのに毎回引かれる
対処(揉めない順):
- まず支払通知書で「何を基礎に、何%で引いたか」を確認
- 次回から請求書の内訳を分ける(開発費/執筆費/デザイン費など)
- 「当社としての対象区分(根拠)をご教示ください」と淡々と確認
※“返して”より先に、“根拠の整理”を依頼するのが無難です。
9.4 支払調書が届かない(確定申告前に焦る)
症状:年末になっても支払調書が来ない
対処:
- 支払調書がなくても、**請求書控え+入金記録+支払通知(あれば)**で集計できる状態にしておく
- 支払調書が届いたら「答え合わせ」に使う(頼り切らない)
10. フリーランス源泉徴収 FAQ(よく検索される疑問を先回りで回収)
Q1. 「源泉徴収されてる=損」ですか?
A. いったん手取りは減りますが、源泉徴収は“前払い”の性質が強く、確定申告で年額税計算をした上で精算されます。
損になりやすいのは「対象外なのに引かれる」「計算ベースがズレる」「確定申告で源泉徴収税額の入力が漏れる」の3つです。
Q2. 支払調書がないと確定申告できませんか?
A. できてしまいます。実務では、請求書控え・入金記録・支払通知(あれば)が揃っていれば集計可能です。
支払調書は、届いたら突合して精度を上げる位置づけで考えると安定します。
Q3. 交通費・宿泊費は源泉徴収の対象になりますか?
A. ケースが分かれます。あなたにまとめて支払われる形だと、源泉の計算対象に含まれる前提で設計しておく方が安全です。
可能なら「クライアントが直接支払う」形へ寄せるとズレが減ります。
Q4. クライアントが個人事業主なら源泉徴収は絶対にありませんか?
A. 「個人だから絶対ない」とは言い切りにくいので、契約前の確認がおすすめです。
実務的には、支払者側の運用(会計処理)で判断が分かれやすい論点です。
Q5. 源泉徴収された税額は、確定申告のどこに入れますか?
A. 申告書(第一表相当)の「源泉徴収税額」の欄に、年間合計を入力します。
この入力漏れが、二重払い(払い過ぎ)につながりやすいです。
11. コピペで使える:源泉徴収の確認メール文例(揉めない温度感)
11.1 支払通知書(控除内訳)の確認依頼
件名:お支払い明細(控除内訳)のご共有のお願い
本文:
お世話になっております。
先日ご入金を確認いたしました。恐れ入りますが、入金額と請求額の差額について、控除内訳(源泉徴収税額・振込手数料等)が分かる支払通知書(明細)がございましたらご共有いただけますでしょうか。
確定申告時の記録整備のため、ご協力いただけますと助かります。何卒よろしくお願いいたします。
11.2 「対象外の可能性がある」場合の確認(断定しない)
件名:源泉徴収の取り扱い(対象区分)の確認のお願い
本文:
お世話になっております。
今回のお支払いにて源泉徴収が行われているようでしたので、念のため確認させてください。
本件は主として(例:システム開発/保守運用)に係る対価の想定でございましたが、貴社側ではどの区分(根拠)として源泉徴収の対象と整理されておりますでしょうか。
次回以降の請求書の内訳・記載を整えるため、ご教示いただけますと幸いです。
11.3 次回からの請求書フォーマット変更の共有(区分記載)
件名:請求書記載(税抜+消費税の区分)について
本文:
お世話になっております。
次回以降、請求書の記載を「報酬本体(税抜)」「消費税」「合計」に区分して発行いたします。
貴社側で源泉徴収の要否・計算を行う際に必要事項がございましたらお知らせください。よろしくお願いいたします。
12. (盲点になりやすい)フリーランスが「支払う側」になった時の源泉徴収
フリーランスでも、外注(デザイナー、ライター、税理士、弁護士など)を使い始めると、今度は「支払う側の源泉徴収」が論点になります。
12.1 まず確認:自分は源泉徴収義務者になっている?
- あなたが外注に支払う場合でも、状況によっては源泉徴収が必要になることがあります。
- 特に「給与を支払う立場になった」等で立場が変わると、運用が一気に複雑になり得ます。
12.2 税理士・弁護士等へ支払う時の注意
- 士業報酬は源泉徴収の対象になり得ます。
- 納付期限(原則:翌月10日)や、納期の特例の有無など、支払側の実務が発生する可能性があります。
※「自分は受け取る側だから関係ない」と思っていると、後で事故りやすいので、外注を始めるタイミングで整理しておくと安心です。
参考リンク
- No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
- No.2793 報酬・料金等の源泉徴収義務者
- No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
- No.2507 復興特別所得税の源泉徴収
- No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例
- No.6929 消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税
- No.7400 法定調書の提出義務者
Track Works 関連記事
まとめ:源泉徴収を理解し、フリーランスの税務を最適化
フリーランスの源泉徴収は、**報酬の支払い時点でいったん差し引かれる「前払い」**で、最終的な税額は 確定申告で精算されます。
つまり、損を防ぐカギは「引かれる/引かれない」よりも、ズレを起こさずに集計して、申告で落とさないことだと思います。
フリーランス 源泉徴収の管理で、特に効くポイントは次の3つです。
- 契約で「源泉徴収の有無」「税込/税抜」「内訳」を先に決める
- 請求→入金→控除(源泉・手数料)の整合を、月次で回して崩れない状態にする
- 確定申告で「源泉徴収税額」の合計を落とさず、還付の可能性も拾う
次にやること(ここだけやれば事故りにくいチェック)
- 請求書テンプレを「税抜+消費税+合計」の区分記載に統一する
- 入金があったら「請求書控え/入金明細/支払通知(あれば)」で差額の内訳を残す
- スプレッドシートで「1案件=1行」(請求合計・源泉徴収額・実入金額)を月次で集計する
- 確定申告前に「源泉徴収税額(年間合計)」をクライアント別に突合する
- 対象外っぽいのに引かれている場合は、次回から請求書の内訳を分けて根拠区分を確認する
独立を考えている方は、こちらも合わせてご確認ください。






