30秒でわかる:このページで得られるもの(最初に結論)
このページでは、フリーランスの業務委託契約書を「読める」ではなく、**“損しない形に整える”**ために必要な実務だけをまとめています。
- フリーランス 業務委託 契約書を10分で判定する「チェックリスト」
- 交渉でそのまま使える 条文の赤入れ(Before/After)(検収・みなし検収・支払期日・賠償上限・知財など)
- 角を立てにくい 交渉メール実例(柔らかい/標準/強め)
- 典型トラブル(無限修正・検収放置・未払い・著作権トラブル)を **「発火点→防ぎ方」**で整理
- フリーランス新法の実務ポイント(条件明示・支払期日・中途解除の考え方)を、契約書レビューに落とし込み
※本記事は一般的な情報提供です。重要な契約は専門家への相談もご検討ください。
まずこれ:DLして使う(ページ価値を上げる)
- ✅ 【PDF】フリーランス 業務委託 契約書|10分チェックリスト(エンジニア向け)
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【コピペOK】業務委託契約書レビュー:10分チェックリスト(フリーランスエンジニア用)
□ 契約形態はどっち?(準委任/請負)※支払いのトリガー(稼働/完成)が噛み合っている
□ 業務範囲に「除外」がある(例:追加開発・仕様変更は別見積/別発注)
□ 報酬は「税抜/税込」「計算方法(時間単価/精算幅/マイルストーン)」まで書いてある
□ 支払期日が“日付で特定”されている(「検収後◯日」だけになっていない)
□ 受領日(納品の定義)がある(例:指定ブランチへマージした日/アップロード完了日)
□ 検収期間が決まっている(+みなし検収がある)
□ 修正回数 or 無償対応期間が区切られている(仕様変更は除外できている)
□ 損害賠償の上限がある(例:直近3ヶ月分/報酬総額まで)
□ 知財の帰属が明確(成果物/背景資産の切り分け、実績公開の条件)
□ 中途解除の予告/精算ルールがある(稼働済み分の支払いが担保される)
1. フリーランスの業務委託契約書は、エンジニアの「技術力」を守る最強の盾
フリーランスにとって技術力は武器ですが、フリーランスの業務委託契約書が弱いと、その武器は簡単に「消耗品」になりがちです。
理由はシンプルで、契約書が弱いと次の3つがコントロールできなくなるからです。
- 時間:無限の追加対応/無償修正/検収放置で稼働が溶ける
- お金:支払い遅延・未払い・計算方法のズレが起きる
- 責任:曖昧な文言で、背負わなくていい責任まで背負わされる
エンジニアに例えるなら、契約は「仕様(SOW)」であり「API仕様」です。
仕様が曖昧なまま実装に入ると炎上するのと同じで、契約が曖昧なまま着手すると、ほぼ確実に“損”が出やすいです。
契約リスクを全体像から押さえたい場合は、先にこちらも見ておくと理解が早くなるかもしれません。
1.1 「無報酬の追加開発」は“あなたが甘い”のではなく、契約の設計ミスで起きやすい
「ちょっとだけ」「ついでに」「ここも直せます?」が積み重なるのは、性格の問題というより フリーランス 業務委託 契約書の“業務範囲設計”が曖昧なことが原因になりやすいです。
特に、次の3つが曖昧だと一気に地獄化します。
- スコープ(やること/やらないこと)
- 成果物の定義(何を納品とするか)
- 変更の扱い(仕様変更・追加開発をどう捌くか)
よくある「発火点→損の出方→防ぎ方」(エンジニア案件あるある)
| 発火点(最初のズレ) | 起きる損(実務) | 防ぎ方(契約・運用) |
|---|---|---|
| 「API連携まで」のつもりが「画面改修も込み」扱い | 無償対応で工数が溶ける | 業務範囲+除外事項を本文or別紙に明記 |
| 「バグ修正」と「仕様変更」の線引きがない | 仕様追加が無償修正として混ざる | 仕様変更は別見積/別発注を手続き込みで固定 |
| 要件が固まっていないのに請負で着手 | 手戻りが全部あなた負担になりやすい | 要件未確定なら準委任寄せ+成果物は別紙で整理 |
| 検収期限がない | 検収放置→入金が遅れる | 検収期限+みなし検収+受領日の定義 |
「言わなくても分かる」は通用しません。
**フリーランスの業務委託契約書は、解釈の余地を潰す“設計図”**として作るほうが安全です。
1.2 契約書リテラシーは、実は「単価」と「継続率」に効きやすい
フリーランスの業務委託契約書を読める/直せることは、「揉めないため」だけではなく、**市場価値(単価・継続率)**に効きやすいです。
クライアント側が本当に嫌うのは「質問」よりも、**事故(炎上・遅延・期待ズレ)**だからです。
契約の時点で事故の芽を潰せる人は、発注側から見ると「不確実性が低い」=扱いやすい存在になりやすいです。
契約が強い人が、自然にやっている行動
- 口頭・チャットの依頼を、**合意文(メール/発注書)**に戻す
- スコープを粒度で揃え、認識ズレが起きるポイントを先回りで潰す
- 検収・支払・責任範囲を決め、揉めた時の着地点を先に用意する
営業・案件獲得の観点も含めて整えたい場合は、こちらも相性が良いはずです。
1.3 「全部理解する」より、10分で“危険箇所だけ”抜き出せる状態が現実的
業務委託契約書を最初から最後まで精読するのは、忙しいフリーランスには現実的ではないことも多いと思います。
おすすめは、重要ポイントだけ10分で抽出して、1枚に要約できる状態を作るやり方です。
あなたが弁護士になる必要はありません。
フリーランスとして必要なのは、だいたい次の2つです。
- 自分が何を引き受け、どこまで責任を負うのか
- いつ・いくら・何を条件に支払われるのか
先に作る:あなた用「契約サマリー(1枚)」テンプレ
- 業務範囲(含む/除外)
- 契約形態(準委任/請負)
- 期間・稼働(開始日、終了日、想定工数、稼働時間帯)
- 報酬(税抜/税込、計算方法、追加作業の単価)
- 支払条件(締め日、支払日、検収、受領日の定義)
- 成果物・納品方法(リポジトリ、納品物、環境、ドキュメント)
- 知財・秘密保持(権利帰属、実績公開の可否)
- 責任範囲(無償修正の期間、損害賠償上限)
- 解除(予告、精算、引継ぎ)
- 紛争(協議、管轄)
このテンプレに落とせない条項は、運用上「曖昧で危ない」可能性があるため、後続章で赤入れ(Before/After)として具体例を出していきます。
出典・参考
2. フリーランスの業務委託契約書の基本:準委任と請負の違い(2分で判定できる)
まず大前提として、現場で言う「業務委託契約」は法律用語というより、実務で 請負/(準)委任 をまとめて呼んでいる“通称”として扱われがちです。だからこそ、フリーランスの業務委託契約書を読むときは、**「この案件は“稼働に払う”のか“完成に払う”のか」**を先に確定しておくのが安全です。ここを取り違えると、支払い条件・検収・修正義務・責任範囲がズレて、「やったのに払われない」「時給で完成責任を負う」みたいな事故が起きやすくなります。
まずこれだけ:準委任/請負の“実務判定”フロー(コピペ可)
Q1. 報酬のトリガーは何ですか?
- 「稼働(時間・人月・業務遂行)」→ 準委任寄り
- 「成果物の完成・検収合格」→ 請負寄り
Q2. 支払条件に“検収合格”が入っていますか?
- Yes → 請負寄り(または危険な混在)
- No → 準委任寄り
Q3. 稼働時間帯・指示系統・定例参加が強いですか?
- Yes → 準委任寄り
- No → 請負寄り(納品基準で管理されることが多い)
Q4. 仕様は固定ですか?変更が起きたら別見積もりで切れますか?
- 固定&切れる → 請負でも戦える
- 変わる前提 → 準委任に寄せないと燃えやすい
ざっくり比較(エンジニア向け早見表)
| 観点 | 準委任(遂行対価型) | 請負(完成責任) |
|---|---|---|
| 何に対して払われる? | 業務の遂行(プロセス・稼働) | 仕事の完成(成果物の納品) |
| 中心になる条項 | 稼働条件/指示系統/報告/アウトプットの扱い(≠完成義務) | 成果物定義/検収/納期/修正・契約不適合の範囲 |
| 典型案件 | SES・保守運用・開発支援・調査設計 | 受託開発(固定価格)・サイト制作一式・機能実装一括 |
| “揉める地雷” | 時間契約なのに「納品・検収・完成」を強く求められる | 成果物契約なのに「無限の追加要望」が混ざる |
※ここで大事なのは「呼び名」ではなく、フリーランスの業務委託契約書が どっちのロジックで運用される前提になっているか、です。
2.1 業務委託契約書で確認する:準委任契約(遂行対価型)
準委任は、ざっくり言うと「仕事の完成(成果保証)は約束しないが、業務として善良な管理者の注意で遂行する」という整理になりやすい契約です(実務上は委任規定が準用される形で語られることが多いです)。
エンジニア案件で“準委任っぽい”サイン(実務判定)
- 報酬が 月額/時間単価(工数×単価、精算幅あり)
- 稼働時間帯 や 定例MTG参加 が前提
- タスクがスプリント/Backlogで動き、成果物が固定されにくい
- 請求がタイムシート・稼働報告ベース
準委任で「フリーランス 業務委託 契約書」を締めるべきポイント(事故を減らす順)
- 稼働の定義(何をしたら“遂行”とみなすか)
- 例:稼働報告の承認=業務遂行の確認、など
- 業務範囲(やる/やらない)+追加の切り方
- 「追加開発・仕様変更は別見積・別発注」を“手続き込み”で
- アウトプットの位置づけ(提出物=完成責任ではない)
- 例:設計書・PR・調査レポートは「中間成果」扱い、など
- 稼働条件(連絡可能時間/休日対応/緊急対応単価)
- 解除・精算(途中終了でも稼働済み分は支払われる設計)
ありがちな落とし穴:準委任なのに「請負条項」が混ざる(=混在地雷)
準委任のはずなのに、契約書にこういう文言が混ざることがあります。
- 「検収が完了するまで支払わない」
- 「契約不適合(瑕疵)で無償修正を負う」
- 「成果物が完成しない場合は報酬なし」
この混在を放置すると、フリーランスの業務委託契約書としては “時間単価なのに完成責任だけ重い” という、コスパが壊れる形になりやすいです。
条文の赤入れ例(Before/After|準委任で特に効く)
- Before(危険)
「乙の業務の成果について、甲が検収し、検収合格後に報酬を支払う。」 - After(現実寄せ)
「報酬は乙の稼働実績(タイムシート/稼働報告)に基づき算定し、甲が当該報告を承認した場合に支払う。
乙が成果物(資料・ソース等)を提出する場合であっても、当該提出は完成を保証するものではなく、甲は受領後◯営業日以内に確認結果を通知する。期限内に通知がない場合、当該確認は完了したものとみなす。」
ポイントは、「検収」を“完成判定”にしないで、稼働に対する確認に寄せることです(準委任の骨格を守るための調整、という言い方にすると通りやすいことが多いです)。
2.2 業務委託契約書で確認する:請負契約(完成責任)
請負は「特定の仕事を完成させ、その結果に対して報酬が支払われる」という整理で説明されることが多いです。
そのためフリーランスの業務委託契約書が請負寄りなら、守るべき中心は “稼働”より 成果物の定義と検収設計 になります。
エンジニア案件で“請負っぽい”サイン(実務判定)
- 報酬が 固定価格(一式/マイルストーン)
- 納期 と 検収 が支払条件に直結
- 仕様書・要件定義・受入基準(Definition of Done)がある
- 仕様が変わると本来「追加見積」になる構造(になっているはず)
請負で「フリーランス 業務委託 契約書」を締めるべきポイント(必須順)
- 成果物の定義(何を納品とするか)
- 対象機能/対象環境/ドキュメント範囲/テスト範囲
- 検収条件(いつ、何をもって合格か)
- 検収期間/基準/不合格時の通知義務/再検収期限/みなし検収
- 仕様変更・追加開発の扱い(手続きで封じる)
- 「変更要求→見積→合意→着手」の流れを条文化
- 修正義務の範囲
- 無償修正の期間・回数・対象(バグ/仕様変更の線引き)
- 支払いの分割(キャッシュとリスクの分散)
- 可能なら「着手金/中間金/検収後」など
- 責任限定(賠償上限・間接損害除外)
- データ・アカウント・環境差の免責整理(地味に燃えやすいです)
条文の赤入れ例(Before/After|請負の検収)
- Before(危険)
「検収は甲の裁量で行い、合格と判断した時点で完了する。」 - After(戦える)
「甲は受領日から◯営業日以内に検収結果(合格/不合格)を通知する。不合格の場合、甲は不合格理由および修正箇所を具体的に示す。期限内に通知がない場合、当該成果物は検収合格とみなす。」
請負は「完成責任」を負いやすいぶん、フリーランスの業務委託契約書側で “合格基準と期限” を決めておかないと、検収放置=入金放置になりやすいです。
2.3 フリーランスが業務委託契約書で損しないために、この違いが重要
結論として、フリーランスの業務委託契約書で見るべきは「タイトル」より、支払いのトリガーが何かです。
ここが「稼働」なのか「完成」なのかで、あなたが背負うリスクが変わります。
取り違えると起きる“損”の典型
- 準委任だと思っていた → 実際は「検収合格まで支払わない」=キャッシュフローが詰まりやすい
- 請負だと思っていた → 実際は「準委任運用なのに完成責任だけ乗る」=時給が崩壊しやすい
- どっちでもない曖昧契約 → 仕様変更が無限に混ざり、責任だけ膨らむ=燃えやすい
混在してたら、ここだけ直す(最小の修正方針)
- 準委任なら:検収=完成判定ではなく「稼働確認」に寄せる(支払いは稼働ベース)
- 請負なら:成果物・受入基準・検収期限・変更手続きを先に固定する(支払いトリガーを動かさない)
実務の最適解(迷ったらこれ)
- 要件が固まってない/アジャイルで動く:準委任に寄せつつ、成果物は“別紙”で整理(完成責任を背負いにくく)
- 成果物が明確/受入基準が固定:請負でもOK。ただし検収・変更・無償修正の枠を締める
最後に重要な注意点(雇用っぽさ)
業務委託でも、実態が「指揮命令」「勤務実態」「代替性なし」など雇用に近い場合、別の論点(労働者性)が出てきます。違和感があるときは、早めに相談先を確保しておくほうが安心です。
関連記事
- フリーランスの業務委託契約書完全ガイド(全体像の補強)
- 契約・リスク管理の基本(「なぜ条項を締めるのか」を補強)
- フリーランスのリスクと対策(未払い・炎上系の導線)
- フリーランスエンジニアの始め方(初心者の前提合わせ)
出典・参考
- Business & Law:業務委託契約の法的性質(請負・準委任の整理/民法632条・656条等に言及)
- 厚労省(労働局):フリーランス・事業者間取引適正化等法が2024年11月1日に施行(条件明示など)
3. フリーランス新法で業務委託契約書はどう変わる?実務ポイント
2024年11月1日施行の「フリーランス・事業者間取引適正化等法(通称:フリーランス新法)」により、**フリーランスが受け取る業務委託の条件は“口頭NG・文面が原則”**になりました。つまり、フリーランスの業務委託契約書(またはメール等の条件提示)が弱いまま着手すると、あなたが不利になる余地が残ります。逆に言うと、この法律は「揉めた時の武器」ではなく、着手前に条件を固めるための盾です。
3.1 業務委託契約書に直結する「フリーランス新法」3点だけ押さえる(実務用早見表)
※ここでは「フリーランス 業務委託 契約書レビューで使う要点」だけに絞ります。
| 何が義務? | 実務で困る場面(エンジニアあるある) | 契約書・メールで押さえるべき一文(コピペ型) |
|---|---|---|
| 取引条件の明示(口頭NG、書面/電磁的方法で) | 「まず動いて」が始まり、業務が膨らむ/言った言わない | 「業務範囲・報酬・支払期日・期間・検収(あるなら)を、書面またはメール等で確定してから着手します。」 |
| 支払期日のルール(原則:受領日から60日以内+できる限り短く) | 検収放置で入金が遅れる/支払サイトが長すぎる | 「受領日(または検収合格日)を定義し、支払日は“日付で特定”してください。みなし検収も設定したいです。」 |
| 中途解除の予告・理由開示(6か月以上の継続は原則30日前予告) | 長期案件が突然打ち切り/理由が曖昧で次が探せない | 「6か月以上の継続が想定されるため、解除/不更新は原則30日前予告+理由開示の条項を明記してください。」 |
- 取引条件は、書面または電磁的方法(メール、SNSメッセージ等)で“直ちに”明示が原則です(口頭のみは不可)。
- 支払期日は、**受領日から起算して60日以内で“できる限り短い期間”**で定めることが求められます。
- 6か月以上の継続的な業務委託では、解除/不更新の際に少なくとも30日前までの予告と、請求があれば理由開示が必要です。
最低限この4つが文面に無いなら、着手しない(エンジニア向け“損切りライン”)
- 業務範囲(やること/やらないこと、追加開発の扱い)
- 報酬(税抜/税込、計算方法、追加作業の単価・見積手順)
- 支払期日(「◯日まで」と日付で特定+起算日の定義)
- 期間(いつからいつまで、更新/終了条件、稼働/連絡ルール)
3.2 下請法との違い|フリーランスの業務委託契約書で得られるメリット
下請法は「親事業者/下請事業者」の関係や資本金などの要件で適用範囲が決まります。一方でフリーランス新法は、“個人で働くフリーランスへの業務委託”を幅広く対象にし、取引条件の明示や支払期日などのルールを求めるのが特徴です。つまり、今まで「小さい取引だから曖昧でも回ってた」領域が、契約・条件の透明化を求められるようになっています。
実務的に効くメリットはこの3つだけ覚えればOKです。
- 口頭スタートを止めやすい(「法律上、条件明示が必要なので」と言える)
- 支払サイト短縮の交渉材料になる(原則60日以内+短期化の方向性)
- 長期案件の“突然死”に歯止めをかけやすい(30日前予告+理由開示)
3.3 フリーランス新法×業務委託契約書:交渉で使えるフレーズ集(コピペ可)
※目的は喧嘩ではなく、認識ズレを潰して開発に集中すること。文章は短く、事実ベースで。
例1:条件を書面でもらいたい(条件明示)
〇〇案件ありがとうございます。
着手前に、業務範囲・報酬・支払期日・期間・検収(ある場合)を、書面またはメール等で整理いただけますでしょうか。
フリーランス新法の趣旨(取引条件の明示)も踏まえ、認識ズレ防止のため文面で揃えたいです。
例2:支払サイトが長い(支払期日)
契約書案の支払条件についてご相談です。
報酬の支払期日は、受領日から起算して60日以内でできる限り短い期間とされているため、可能であれば「30日以内」への調整をご検討いただけますでしょうか。
例3:検収放置を防ぎたい(受領日/みなし検収)
報酬遅延防止のため、「受領日(例:リポジトリへマージされた日)」の定義と、検収期間・みなし検収の設定をお願いできますでしょうか。
例4:長期案件の中途解除を明確化(30日前予告+理由開示)
継続案件(6か月以上想定)のため、解除/不更新の条件を事前に整理させてください。
原則30日前までの予告と、請求があれば理由開示、という形で条項を入れておけると助かります。
例外もある(=だからこそ“条項で先に詰める”)
中途解除の予告が不要となる例外があり得ます(災害等、再委託の事情、短期契約など)。だからこそ、契約書側で「予告期間」「精算」「引継ぎ」「成果物の取扱い」を先に決めておくのが現実的です。
【出典・参考】
- 公正取引委員会:フリーランス法 特設サイト(義務と禁止行為の整理)
- 公正取引委員会:フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(PDF)
- 厚生労働省:フリーランス・事業者間取引適正化等法(概要)
- 厚生労働省資料:中途解除等の事前予告・理由開示義務(PDF)
- e-Gov法令:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律
4. フリーランスの業務委託契約書レビュー:必ず確認すべき9項目(採点式+案件タイプ別の重み付け)
フリーランスにとって「フリーランスの業務委託契約書」を読む作業は、仕様のレビューに近いです。
要件が曖昧なまま実装に入ると炎上しやすいのと同じで、業務委託契約書のまま着手すると 無限修正・支払遅延・責任爆発 が起きやすくなります。
ここでは、フリーランスの業務委託契約書レビューを「案件タイプを判定 → 重み付け → 採点してGO/NG」まで、10〜20分で回せる形にします。
4.0 最短の見方(10〜20分で“採点して判定”する)
手順は3つだけです。
- 案件タイプを決める(準委任/SES寄りか、請負/受託寄りか、保守運用か、PoCか)
- 9項目を0〜2点で採点して、案件タイプ別の重み(×1〜×3)を掛ける
- 着手可否を判定する(赤ラインに当たったら交渉 or 撤退)
この4つが文面にないなら、基本は着手しない方が安全です
①業務範囲 ②報酬 ③支払期日(“日付で特定”) ④期間
4.0.1 まず案件タイプを判定(フリーランス業務委託の“実務分類”)
業務委託契約書のタイトルより、支払いのトリガーでざっくり分類すると速いです。
- 準委任/SES寄り:月額・時間単価、稼働報告、タスクが変動しやすい、定例参加
- 請負/受託寄り:一式・マイルストーン、納品/検収が支払条件、要件と受入基準が固定寄り
- 保守運用寄り:障害対応・SLA・当番・緊急対応、運用ルールが重要
- PoC/検証寄り:成果が不確実、評価方法や“ここまでやる”の線引きが肝
4.0.2 採点ルール(0〜2点)※フリーランス業務委託契約書のレビュー用
各項目を次の基準で採点します。
- 0点:未記載 / 主観100% / 期限なし / “当社規定”だけ(=運用で詰む)
- 1点:書いてあるが弱い(定義が曖昧、手続き不足、例外だらけ)
- 2点:定義・期限・手順が揃っている(証跡が残り、揉めにくい)
4.0.3 案件タイプ別の「重み付け」早見表(×1〜×3)
同じ業務委託契約書でも、案件タイプで“地雷の濃度”が変わります。
そこで、重要度の高い項目ほど重みを上げるのがおすすめです。
使い方:各項目の点数(0〜2)× 重み(1〜3)で加点します。
| 項目 | 準委任/SES | 請負/受託 | 保守運用 | PoC/検証 |
|---|---|---|---|---|
| 4.1 当事者・業務範囲 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 |
| 4.2 報酬・支払条件 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 |
| 4.3 期間・更新・終了 | ×3 | ×2 | ×3 | ×2 |
| 4.4 納品・検収フロー | ×2 | ×3 | ×2 | ×2 |
| 4.5 知的財産権 | ×2 | ×3 | ×2 | ×2 |
| 4.6 秘密保持・実績公開 | ×2 | ×2 | ×2 | ×2 |
| 4.7 責任範囲・責任限定 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 |
| 4.8 解除条件・終了後処理 | ×2 | ×2 | ×3 | ×2 |
| 4.9 紛争解決(管轄等) | ×1 | ×1 | ×1 | ×1 |
4.0.4 判定基準(GO/交渉/撤退)
フリーランスの業務委託契約書を“感覚”で読まないために、出口を固定します。
- 即NG(撤退 or 着手延期):次のどれかに当てはまる
- ①〜④(業務範囲・報酬・支払期日・期間)のどれかが 0点
- 4.7(責任限定)が 0点 かつ、賠償上限なし/無制限責任が見える
- 支払条件が「検収後◯日以内」なのに 検収期限がない(実質無期限)
- 要交渉(安全化してから着手)
- 合計点が最大点の 〜70% 程度
- 0点が複数ある(特に4.4/4.5/4.7あたり)
- 着手OK(ただし軽微修正は提案)
- 合計点が最大点の 70〜85% 程度
- 0点がなく、1点が「運用で補える範囲」
- かなり安全
- 合計点が最大点の 85%〜(現場運用が想像できる)
計算式:合計点 = Σ(各項目の点数0〜2 × 重み1〜3)
最大点:Σ(2 × 重み)
4.1 業務委託契約書の当事者と業務範囲:誰が、何を、どこまで?
狙い:スコープを固定して“追加地獄”を止める。(フリーランス業務委託契約書の最重要)
採点の目安(0〜2点)
- 0点:業務範囲が抽象的(「一切の業務」「付随業務」)/別紙なし
- 1点:タスクはあるが、除外(やらないこと)や変更手続きが弱い
- 2点:業務範囲+除外+仕様変更/追加開発の扱い(別見積・別発注)が揃う
チェックポイント
- 当事者:支払義務者は誰か(元請/エージェント/発注部門)。会社情報は一致しているか
- 業務範囲:本文 or 別紙(要件/タスク一覧)で列挙されているか
- **除外(やらないこと)**が書かれているか(追加開発、運用監視、データ整備等)
質問テンプレ(コピペOK)
- 「認識ズレ防止のため、業務範囲を契約書本文または別紙で確定したいです。**対応外(除外)**も併記いただけますでしょうか。」
4.2 業務委託契約書の報酬と支払い条件:いくらで、いつ、どう払う?
狙い:キャッシュフローを守る(検収放置=支払遅延を潰す)。
採点の目安(0〜2点)
- 0点:支払日が不明(「当社規定」等)/起算点が不明/検収が無期限
- 1点:支払日はあるが、検収・受領・請求条件のどれかが曖昧
- 2点:支払期日が日付で特定+起算点(受領日/検収日)+検収期限/みなし検収が整う
チェックポイント
- 税抜/税込、端数、経費(クラウド費/ツール/交通費)の扱い
- 計算方法:月額固定 / 時間単価(精算幅) / マイルストーン
- 請求条件:請求書、稼働報告、検収完了など“支払トリガー”が明確か
- **支払期日が“日付で特定”**されているか(例:翌月末、毎月25日)
赤信号
- 「検収後◯日以内」だが 検収期限が無い(=永久に支払われない構造)
- 「当社規定により支払う」だけ(支払日が読めない)
- 源泉徴収の有無が不明(対象業務/計算/控除後の金額)
質問テンプレ
- 「支払期日を日付で特定し、検収がある場合は検収期限+みなし検収もセットで明記いただけますでしょうか。」
4.3 業務委託契約書の契約期間と更新・終了:いつからいつまで、どう終える?
狙い:突然終了で売上がゼロになるリスクを下げる。
採点の目安(0〜2点)
- 0点:終了条件が発注側だけ有利/精算が未記載/予告なし
- 1点:期間はあるが、中途解除の精算や引継ぎが弱い
- 2点:開始・終了・更新+予告期間+稼働済み分の精算(出来高/日割り)が揃う
チェックポイント
- 開始日/終了日
- 更新:自動更新か都度更新か、更新拒否の期限
- 中途解除:予告期間、解除事由、途中終了時の精算(出来高/日割り)
- 最低稼働:月◯時間/◯人月のコミットの有無
質問テンプレ
- 「継続案件を想定しているため、予告期間と、終了時の**精算ルール(稼働済み分の支払い)**を明記したいです。」
4.4 業務委託契約書の納品・検収フロー:どう渡し、どう承認される?
狙い:検収放置を防いで“払われない”を潰す。
採点の目安(0〜2点)
- 0点:検収期限なし/合格基準が主観(「満足すること」)
- 1点:検収はあるが、受領日・証跡・再検収の扱いが弱い
- 2点:受領日(証跡ベース)+検収期限+みなし検収+不合格時の通知義務が揃う
チェックポイント
- 納品物:ソース/設計書/手順書/テスト結果などの範囲
- 納品方法:Gitのどのブランチにマージ?納品の証跡(メール/チケット)
- 検収基準:仕様・受入条件
- 検収期限:例「受領後7営業日以内」
- みなし検収:期限内通知がなければ合格
- 不合格時:再修正の範囲・回数・期限、追加要件は別見積にできるか
質問テンプレ
- 「検収期限とみなし検収を入れてください。納品の定義は“リポジトリへのマージ日”など、証跡が残る形で固定したいです。」
4.5 業務委託契約書の知的財産権:成果物の権利は誰のもの?
狙い:成果物は譲っても“自分の再利用資産”は守る。
採点の目安(0〜2点)
- 0点:「成果物に関する一切」などで背景資産まで吸われる
- 1点:帰属はあるが、成果物/背景資産の切り分けが弱い
- 2点:成果物と背景資産の定義が分かれ、利用範囲も整理されている
チェックポイント
- 成果物の定義(コード/ドキュメント/設定など)
- 権利帰属:譲渡かライセンスか、範囲(改変/二次利用)
- **背景資産(既存コード/テンプレ)**の留保
- OSS/第三者ライセンスの扱い
質問テンプレ
- 「本件固有部分は譲渡、汎用的な資産(既存コード/テンプレ)は留保、という整理にしたいです。範囲を別紙で切れますでしょうか。」
4.6 業務委託契約書の秘密保持と実績公開:どこまで話せて、実績にできる?
狙い:守秘は守る、でも実績ゼロでキャリアが死ぬのも防ぐ。
採点の目安(0〜2点)
- 0点:実績公開全面禁止+無期限/秘密の定義が広すぎる
- 1点:守秘は整理されているが、実績公開の条件が曖昧
- 2点:守秘の定義と例外+実績公開の条件(匿名化/範囲/時期/承認)が揃う
質問テンプレ
- 「実績公開について、社名非公開・技術スタックのみ・公開はリリース後など、条件付きで許可いただけますでしょうか(事前承認でも可)。」
4.7 業務委託契約書の責任範囲と限定:トラブル時、どこまで負う?
狙い:最悪時の損失を“上限”で止める。(フリーランス業務委託契約書で致命傷になりやすい)
採点の目安(0〜2点)
- 0点:賠償上限なし/間接損害も全部負担/保証が過剰
- 1点:上限はあるが例外が広すぎる、または範囲が曖昧
- 2点:賠償上限+間接損害除外+例外(故意重過失など)が整理されている
質問テンプレ
- 「損害賠償は無制限だと受託が難しいため、上限(例:直近◯ヶ月分/報酬総額)を設定いただけますでしょうか。」
4.8 業務委託契約書の契約解除条件:どんな時に解除される?
狙い:片務的な解除で突然死しないようにする。
採点の目安(0〜2点)
- 0点:発注側だけ自由解除+精算なし
- 1点:解除事由はあるが、是正期間や精算が弱い
- 2点:解除事由+是正期間+解除後の精算/返却/権限処理が揃う
質問テンプレ
- 「解除時の精算と成果物・データの取扱いを明文化したいです(稼働済み分は支払い、返却範囲も明記)。」
4.9 業務委託契約書の紛争解決:トラブル時はどう解決する?
狙い:揉めた瞬間に“戦えない契約”にならないようにする。
採点の目安(0〜2点)
- 0点:遠方の専属管轄で実質争えない/協議条項なし
- 1点:管轄はあるが運用(証拠設計)が弱い
- 2点:協議→調停/訴訟の流れ+準拠法+過度でない管轄が揃う
質問テンプレ
- 「紛争時はまず協議の上、それでも解決しない場合の管轄は双方に過度な負担がない形に調整できますでしょうか。」
参考(公式)
5. フリーランスの業務委託契約書:見落としがちなリスク条項と例文
9項目を押さえても、フリーランスの業務委託契約書で実際に揉めるのは「運用でズレる条項」です。
エンジニア案件で特に事故りやすいのは、次の5つ。ここを先に固めると、無償対応・支払い遅延・権利トラブルを一気に減らせます。
| 事故りやすい条項 | 典型トラブル | 先に固定すべきこと(結論) |
|---|---|---|
| 検収・みなし検収 | 検収放置で入金が遅れる | 検収期限+みなし検収+受領日の定義 |
| 知的財産権・実績公開 | コードが二度と使えない/実績が出せない | 権利の範囲(成果物/背景資産)+実績公開の条件 |
| 契約不適合責任(旧:瑕疵担保) | 納品後ずっと無償でバグ対応 | 無償修補の期間・対象・除外(仕様変更/環境差) |
| 責任限定 | 賠償が青天井/間接損害まで請求 | 上限額+対象範囲(直接損害のみ等)+免責 |
| 再委託 | 人手不足で詰む/無断で違反 | 事前承諾の条件+秘密保持の継承+責任の切り方 |
※以下は一般的な実務整理です。案件の性質(金融/医療/個人情報など)で最適解が変わるので、重要案件は専門家チェック推奨。
5.1 業務委託契約書の【検収・みなし検収】報酬遅延を防ぐ自動承認
検収が曖昧=支払いが曖昧です。エンジニア案件は「納品=いつ?」「受領=いつ?」「OKの基準=何?」がズレやすい。
ここを契約書で固定して、**“放置されても前に進む設計”**にします。
チェックポイント(最低限)
- 受領日がいつか(メール受信?GitHubのマージ?アップロード完了?)
- 検収期限(例:7営業日)
- 不合格時の通知義務(理由・修正箇所を具体化)
- 再検収の期限(例:再提出後5営業日)
- みなし検収(期限までに通知がなければ合格)
- 支払期日の起算点(受領日ベースで設計)
すぐ使える例文(短くて強い)
乙(フリーランス)が成果物を納品した日(以下「受領日」)から起算して、甲(クライアント)は7営業日以内に検収結果(合格/不合格)を乙に書面または電磁的方法で通知する。不合格の場合、甲は不合格理由および修正箇所を具体的に示す。甲が当該期間内に通知しない場合、当該成果物は検収合格とみなす。
【追記テンプレ】受領日の定義(エンジニア向けに現場寄せ)
- GitHub運用なら
「受領日」は、乙が指定ブランチにPull Requestを作成し、甲が承認してmainへマージした日(または甲のリポジトリに成果物がダウンロード可能となった日)とする。 - 納品物がファイルなら
「受領日」は、甲の指定するストレージにアップロードが完了し、甲がダウンロード可能となった日とする。
NG(これがあると危険)
- 「検収は甲の判断で行う」だけ(期限なし)
- 「不合格の理由」や「再検収期限」がない
→ 検収放置=支払い放置に直結します。
【出典・参考】
5.2 業務委託契約書の【知的財産権・実績公開】コードとキャリアを守る
ここはフリーランスの業務委託契約書で一番の地雷です。
「全部甲に帰属」だけだと、自作のテンプレ・ライブラリ・ノウハウまで吸われるケースがある。逆に、クライアント側も「利用できない」のは困る。
だから、“成果物”と“背景資産(汎用資産)”を分けて定義します。
まず整理する(交渉前の思考)
- 成果物(Deliverables):今回の案件のために作ったもの(特定要件に紐づくコード/設計書)
- 背景資産(Background IP):元から持っている汎用コード、テンプレ、ライブラリ、一般ノウハウ
- OSS/第三者ライブラリ:ライセンス順守が必要(契約で「全部譲渡」と書けない部分が出る)
チェックポイント
- 著作権を 譲渡 するのか、利用許諾 にするのか
- 譲渡するなら、範囲(成果物のみ/背景資産は除外)
- 著作者人格権不行使の有無(実務上は入ることが多い)
- 実績公開(ポートフォリオ):可否、範囲、タイミング、匿名化条件
- 第三者権利侵害の保証を“無制限”で背負わされていないか(要注意)
例文①:権利を分ける(現場で一番効く)
本業務により新たに作成される成果物(以下「成果物」)の著作権は、別段の定めがない限り甲に帰属する。 ただし、乙が本業務開始前から保有するプログラム、テンプレート、ライブラリ、ノウハウその他の汎用的資産(以下「背景資産」)は乙に留保され、成果物に組み込まれた背景資産について、甲は成果物の利用に必要な範囲で非独占的に利用できる。
例文②:実績公開を“揉めない形”で許可する(条件を具体化)
乙は、甲の事前承諾を得た上で、本業務の実績として、(1) 会社名・サービス名を伏せた概要、(2) 画面・コード等の機密を含まない範囲の説明、(3) 公開時期はリリース後、の条件でポートフォリオに掲載できる。甲は合理的な範囲でこれに協力する。
例文③:著作者人格権(不行使は“範囲を限定”して書くと揉めにくい)
乙は、甲および甲の指定する第三者による成果物の利用に必要な範囲で、著作者人格権を行使しない。
【出典・参考】
5.3 業務委託契約書の【契約不適合責任】無償保守を避ける期間設定
請負だと特に、納品後に「これも直して」「環境が違う」「仕様が変わった」が発生します。
ここで曖昧だと、無限バグ修正=実質タダ働きになります。
先に決めるべき“3点セット”
- 無償修補の期間(例:検収完了から30日)
- 無償対象の定義(当初仕様どおりに動かない不具合に限定)
- 除外(仕様変更、運用変更、第三者改修、環境差、データ起因 など)
例文(そのまま入れて戦える形)
乙は、検収完了日から30日間に限り、成果物が仕様書・合意要件に適合しない不具合(以下「不具合」)を無償で修補する。 ただし、次の各号に該当するものは無償修補の対象外とし、別途有償対応として協議する。 (1) 仕様変更・追加要望に起因する改修 (2) 甲または第三者による改変、運用変更、設定変更に起因する不具合 (3) 甲の提供する環境・データ・外部サービスの不具合に起因するもの (4) 再現手順が提示されず、乙が合理的に再現できないもの
【追記テンプレ】不具合報告の“型”を決める(これで工数が溶けなくなる)
甲は不具合報告に際し、(a) 再現手順、(b) 期待結果と実際結果、(c) 発生環境(OS/ブラウザ/バージョン等)、(d) ログ等の根拠、を提示する。
【追記テンプレ】仕様変更・追加開発の扱い(無限対応を封じる)
当初合意した業務範囲を超える改修、仕様変更、追加機能開発は本契約の業務範囲に含まれない。必要な場合、乙は見積と納期影響を提示し、甲乙合意の上で別途契約または発注書により実施する。
【出典・参考】
5.4 業務委託契約書の【責任限定条項】損害賠償リスクを限定する
フリーランスにとって最悪なのは、賠償が青天井で事業継続が死ぬこと。
クライアント側も「ゼロ責任」は無理なので、落とし所はだいたい次です。
実務で現実的な落とし所(セットで入れる)
- 上限額:直近◯ヶ月分の委託料/総額
- 範囲:直接かつ通常の損害のみ(間接損害・逸失利益を除外)
- 例外:故意・重過失は除く(ここは入ることが多い)
例文(よく通る)
乙が甲に対して負う損害賠償責任は、甲が乙に現実に支払った直近3ヶ月分の業務委託料を上限とする。 また、乙は、逸失利益、間接損害、特別損害、データ消失等の派生的損害について責任を負わない。 ただし、乙の故意または重過失による場合はこの限りではない。
NG(飲むと破滅コース)
- 「乙は一切の損害を賠償する」
- 「上限なし」
- 「第三者クレームも無制限に補償」
→ 受けるなら単価・保険・範囲を見直すべきです。
5.5 業務委託契約書の【再委託の可否】一人で抱えないための選択肢
案件が伸びたときに詰むのがここ。再委託NGだと、病気・繁忙・専門領域で詰みます。
一方でクライアントは「誰が触るかわからない」ことを嫌う。なので、承諾制+義務の継承で落とします。
チェックポイント
- 再委託は 全面禁止 か、事前承諾制か
- 承諾を取る単位(個人名まで?会社名まで?)
- 再委託先にも 秘密保持・セキュリティ義務を継承させるか
- 事故時の責任(基本は元請けが責任を負う前提で設計)
例文(現場で通しやすい)
乙は、甲の書面による事前承諾を得た場合に限り、本業務の一部を第三者に再委託できる。 乙は、再委託先に本契約と同等の秘密保持・情報管理義務を遵守させ、当該再委託先の行為について甲に対し責任を負う。
実務のコツ(交渉で刺さる言い方)
- 「再委託したい」ではなく
「品質担保のため、専門領域は協力者を使う可能性がある。守秘は同等で運用する」
と説明すると通りやすいです。
【出典・参考】
6. フリーランスの業務委託契約書:不利な条件を飲まない交渉術
フリーランスにとって、**業務委託契約書の交渉は「わがまま」じゃなくて「損失防止」**です。
交渉せずにサインすると、あなたはこういう“見えない税金”を払うことになります。
- 無限修正で稼働が溶ける(=時給が下がる)
- 検収放置で入金が遅れる(=キャッシュが死ぬ)
- 責任が無限で一発退場(=賠償・炎上の地雷)
- 実績公開不可で次の案件が取りづらい(=将来収益が減る)
結論:交渉しないのは「関係を壊さない優しさ」じゃなく、自分の利益を差し出しているだけです。
6.1 業務委託契約書の交渉は「調整」:目的は円満な取引
交渉の目的は勝つことじゃない。“案件が成功する条件”を契約に落とすことです。
そのために、まずあなた側の意思決定を固めます(ここが弱い人ほど飲まされる)。
交渉前に決める3点(これを決めずに交渉に入ると負ける)
- Must(絶対に必要):例)業務範囲の除外、検収期限+みなし検収、責任上限、支払日特定
- Want(できれば):例)前払い/中間金、実績公開の条件、再委託の柔軟性
- Walk-away(断る基準):例)損害賠償が無制限、支払が不明確、業務範囲が曖昧、成果保証が強いのに要件が固まってない
迷うなら基準はこれ:「最悪ケースが起きても自分が死なない条件か?」
死ぬ条件なら、交渉か撤退しかない。
6.2 業務委託契約書の交渉フレーズ例:「質問+懸念+代替案」
交渉は感情ではなく設計。型で進めると強いです。
使い回せる“勝ち型”テンプレ(コピペOK)
- 質問:この条項の意図を確認させてください(運用上こういう想定でしょうか?)
- 懸念:現状の記載だと、◯◯のリスクがこちらに偏り、案件運用が不安定になります
- 代替案:双方の認識ズレを防ぐため、△△の文言に調整いただけますでしょうか
交渉の「強い根拠」3つ(刺さる順)
- 運用上の事故防止(検収遅延・仕様変更・責任範囲のズレ)
- 案件成功のため(意思決定が早くなる/手戻りが減る)
- 法令・公的ガイドライン(支払期日など)
※フリーランス法の支払期日は「受領日から60日以内でできる限り短い期間」等の考え方がQ&Aで示されています。
参考:公正取引委員会:フリーランス法 Q&A
よく揉める条項:即戦力の交渉セット(例)
下の「代替案」は、そのまま文章として契約書に入れやすい形にしています。
| 論点(フリーランス 業務委託 契約書で揉める所) | 放置すると起きること | 代替案(入れたい方向) | ひと言で通す理由 |
|---|---|---|---|
| 支払条件(締日・支払日) | 入金が遅い/不明確 | 「受領日(または検収日)から起算し、◯日以内に支払う。支払日は日付で特定する」 | キャッシュフローが止まると稼働が継続できない |
| 検収(期限・基準) | 検収放置=入金遅延 | 「受領後◯営業日以内に検収。期限内に通知がなければ合格(みなし検収)」 | 検収遅延がプロジェクト全体の遅れになる |
| 業務範囲(やる/やらない) | 追加開発が無償化 | 「別途合意した業務範囲を超える改修は別見積・別発注」 | 仕様が増えると納期と品質が崩れる |
| 修正回数/無償期間 | 無限修正で焼ける | 「軽微な修正は◯回まで/無償対応は検収後◯日」 | スケジュールと品質を守るため |
| 瑕疵/契約不適合の扱い | “ずっと無償保守” | 「瑕疵は検収後◯日。仕様変更は別途有償」 | 瑕疵と仕様変更を混ぜると揉める |
| 知財・利用範囲 | 実績が出せない/再利用不可 | 「著作権譲渡の範囲/実績公開条件/汎用部品の扱い」を明確化 | 次の案件獲得に直結する |
| 責任限定(損害賠償) | 無限賠償の地雷 | 「賠償上限=直近◯ヶ月分の委託料(故意重過失除く)」 | 個人が無限責任は不可能 |
| 中途解除(精算) | 急に切られて赤字 | 「予告期間+精算(稼働分・着手分)を明記」 | 突然終了は双方に損 |
| 再委託 | 体制が組めない | 「事前承諾の条件/責任の範囲」を現実的に | 事故らない体制にするため |
具体例(あなたの文章を“もう一段”強くする)
例:支払サイトが長い(納品後60日)
- 交渉文(短く強い版)
恐れ入ります、報酬の支払期日についてご相談です。現状の「納品後60日」はキャッシュフロー上リスクが大きいため、可能であれば「納品(受領)後30日以内」へ短縮いただけますでしょうか。難しい場合でも、受領日(検収日)の定義と支払日を日付で特定し、運用上の遅延が出ない形に調整できると助かります。
- 根拠(添えると通りやすい)
- 公的には支払期日は「受領日から60日以内でできる限り短い期間」等の考え方が示されています:
公正取引委員会:フリーランス法 Q&A
- 公的には支払期日は「受領日から60日以内でできる限り短い期間」等の考え方が示されています:
例:修正が無限(回数制限なし)
- 交渉文(火消しできる版)
修正対応について、品質担保のため軽微な修正はもちろん対応しますが、回数上限がないとスケジュール管理が難しくなります。「軽微な修正は◯回まで、それ以上は別途お見積り」に調整いただけますでしょうか。仕様変更・追加開発は別発注として切り分けたいです。
6.3 業務委託契約書の【実践】交渉メール例と言い換え辞典
ポイント:相手に考えさせない。
「どこが問題で、どう直してほしいか」を、条文番号つきで1通にまとめます。
件名例
【〇〇案件】業務委託契約書の確認と修正案のご相談(〇〇/氏名)
本文テンプレ(コピペOK)
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。フリーランスエンジニアの〇〇です。
契約書案をご共有いただきありがとうございます。内容を拝見し、認識ズレ防止の観点で数点ご相談させてください。
【ご相談事項(修正案)】
1)第◯条(検収)
・懸念:検収期限が不明確だと、承認遅延により支払が遅れる可能性があります。
・修正案:成果物受領後◯営業日以内に検収結果をご通知いただき、期限内に通知がない場合は検収合格(みなし検収)とする旨の追記をご検討いただけますでしょうか。
2)第◯条(修正・仕様変更)
・懸念:修正回数が無制限だと工数見積りが難しく、納期と品質に影響する可能性があります。
・修正案:軽微な修正は◯回までとし、それを超える修正、または仕様変更・追加開発は別途お見積り/別発注(または発注書)にて対応する旨の追記をご検討いただけますでしょうか。
3)第◯条(損害賠償)
・懸念:賠償範囲が無制限だと個人事業としてリスクが過大となります。
・修正案:損害賠償の上限を「直近◯ヶ月分の委託料(ただし故意・重過失を除く)」とする旨の調整をご検討いただけますでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のうえご相談できれば幸いです。
必要でしたら15分ほどお打合せのお時間も頂戴できますとスムーズです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――
署名
氏名:〇〇〇〇
屋号(任意):〇〇
電話:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
メール:〇〇〇〇@〇〇〇〇
――――――――――
“言い換え辞典”(角を立てずに強くする)
- 「直してください」→「調整いただけますでしょうか」
- 「無理です」→「現状の条件だとリスクが過大で、参画判断が難しくなります」
- 「問題です」→「懸念がございます(運用上リスクがあります)」
- 「それじゃ嫌です」→「案件成功のため、条件を明確化したいです」
相手が渋ったときの切り返し(ここで折れると負ける)
- 「うちはこの条件で皆やってます」
→承知しました。私としては事故防止のため、少なくとも「検収期限」と「仕様変更の切り分け」だけは必要です。どちらなら受け入れ可能でしょうか。 - 「法務が通しません」
→運用に合わせた代替案を2案出します。A案(上限◯ヶ月)、B案(上限◯万円+保険加入)で検討いただけますか。 - 「早く始めたいので後で」
→着手自体は可能ですが、最低限「業務範囲・報酬・支払期日・期間」が文面で確定してから開始したいです。認識ズレが一番コストになります。
6.4 業務委託契約のやり取りは、メール等で記録に残す(契約書の証拠力)
ここを甘く見る人が、最後に泣きます。“言った言わない”は、あなたが勝てない土俵です。
記録に残すべきもの(最低限)
- 契約書(最終版PDF)
- 修正履歴(赤入れ・条文案)
- 合意した条件が書かれたメール/チャット(スクショでもいい)
- 納品・検収の証跡(リポジトリのマージ、納品メール、受領確認)
これが揃うまで「着手しない」ルール(あなたを守る)
- 業務範囲(やる/やらない)
- 報酬(税抜/税込・計算方法・追加作業単価)
- 支払期日(日付で特定+受領日の定義)
- 期間(開始・終了・更新・中途解除と精算)
厳しいことを言う:
「関係性を壊したくないから確認しない」は自己欺瞞。
確認しないことで壊れるのは、関係性じゃなくてあなたの時間と信用とキャッシュです。
【出典・参考(公式・一次情報)】
- 公正取引委員会:2025年 フリーランス法 特設サイト
- 公正取引委員会:フリーランス法 Q&A
- 公正取引委員会:フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(PDF)
- e-Gov法令検索:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)
7. フリーランスの業務委託契約書:電子契約・押印・印紙の要点(法律より“事故らない運用”)
フリーランスの業務委託契約書は、紙でも電子(PDF)でも合意が成立し得ます。
ただ、現場で本当に差が出るのは「形式」よりも、あとで揉めたときに“いつ・誰が・どの版に合意したか”を再現できる運用ができているか、だと思います。
結論(エンジニア向け:先に押さえる4つ)
- 電子契約は便利ですが、強みは「電子だから」ではなく、締結ログ+版管理が残りやすい点です。
- 押印は必須ではないことが多い一方で、商慣習として求められる場面はあります(=運用設計が必要です)。
- 印紙税は“紙の課税文書”が中心で、電子のみで完結すれば論点が減りやすいです。
- 一番の事故は、電子で締結したのに、紙を“契約書として運用”してしまう混在フローです(印紙・二重管理・版ズレが起きやすいです)。
7.0 まず押さえる:混在フローの事故(図解レベル)
フリーランスの業務委託契約書でよくあるのが、**“電子で合意したのに、社内運用が紙に寄って事故る”**パターンです。
✅ 安全寄り:電子で完結する運用(おすすめ)
契約書ドラフト(PDF v0)
↓(赤入れ・修正)
最終版(PDF v1)※ファイル名・版IDを固定
↓(電子契約サービスで署名)
締結完了(PDF v1)+ 監査ログ(audit trail)
↓
保存(契約フォルダ)+ 共有(閲覧権限)
❌ 事故りやすい:電子→紙回覧→紙が“正”になる運用
最終版(PDF v1)を電子署名で締結
↓
社内稟議のために印刷して回覧
↓
「この紙が契約書です」扱いで保管・押印・交換
↓
・印紙の論点が復活しやすい
・紙とPDFで版ズレが起きやすい
・「どっちが最終版?」が発生
実務的には「社内回覧の都合」で印刷は起きがちなので、
**“印刷するなら、紙は閲覧用で契約書扱いしない”**など、運用上の線引きを先に決めておくと安全です。
7.1 フリーランスの業務委託契約書:電子契約・電子署名は有効?(=運用で勝つ)
電子契約・電子署名の価値は、法的な説明よりも、フリーランスの業務委託契約書で揉めやすい「言った言わない」「版が違う」をログで潰せる点にあると思います。
エンジニア的チェック:最低限ここだけ見ておく(版管理+証拠力)
- 当事者の特定:会社名/代表者名/住所、フリーランス側の氏名・屋号が一致している
- 最終版の一意性:最終版PDFが「この1ファイル」と言える状態(差し替え疑惑を潰す)
- 締結ログ(監査ログ):送信・閲覧・同意・締結の履歴が残る
- 締結時刻の担保:タイムスタンプ等で「いつ締結したか」が覆りにくい
- 添付・別紙の整合:SOW/見積/仕様書/別紙が「どの版か」まで紐づいている
- 保存性:締結完了PDF+ログをダウンロードでき、退会後も参照できる想定がある
独自性ポイント:最終版ID(版ズレを殺す“実務小技”)
フリーランスの業務委託契約書は「最終版PDF」と言いながら、最後に微修正が入って別ファイルが生まれがちです。
そこで、最終版IDを運用で固定すると揉めにくいです。
- やり方(簡易)
- ファイル名に版を入れる:
Contract_案件名_YYYYMMDD_v1.pdf - さらに強くするなら、PDFのハッシュ(SHA-256等)を控える(社内メモでもOK)
- ファイル名に版を入れる:
- 送付文の例(コピペ可)
最終版は「Contract_〇〇_20260106_v1.pdf」です。本ファイルを締結対象として問題ないかご確認をお願いいたします。- (可能なら)
最終版ID(SHA-256):xxxxxxxx...
法律説明よりも、「最終版が何か」を合意前に固定するだけで、フリーランスの業務委託契約書トラブルがかなり減る印象です。
7.2 フリーランスの業務委託契約書で押印は必須?(求められたときの“事故らない返し”)
押印は、成立要件というより「真正性の補強」として扱われることが多いですが、実務では押印を求められるケースもあります。
ここで大事なのは、フリーランスの業務委託契約書を 電子でいくのか、紙でいくのかを“途中で混ぜない” ことです。
押印を求められたときの現実的な選択肢(混在事故を避ける)
- A:電子で完結したい(推奨)
社内手続き上、押印が必要でしたら、電子契約での締結ログをもって稟議可能かご相談させてください。
- B:紙に寄せるなら最初から紙で
運用を混在させると版ズレが起きやすいため、紙で締結する場合は紙の最終版で統一して進めさせてください。
- C:どうしても“印刷回覧”が必要な場合(妥協案)
印刷物は社内回覧用(閲覧用)として扱い、契約書の正本は電子締結データ(締結済PDF+ログ)を正とする運用でお願いできますでしょうか。
ここを曖昧にすると、後で「紙のほうが正」「いやPDFが正」の争いが起きやすいので、
“正はどっちか”を先に決めるのがコツだと思います。
7.3 フリーランスの業務委託契約書の印紙税:論点は“紙の契約書として作成・交付したか”
印紙税は一般に紙の課税文書が中心で、電子データのみで完結するなら論点が減りやすい整理です。
ただ、フリーランスの業務委託契約書で落とし穴になるのが、次の“混在”です。
落とし穴(ここで印紙・手戻り・二重管理が起きやすい)
- 電子で締結した契約書をプリントアウトして相手に交付し、紙を契約書として運用する
- 電子で合意→社内稟議で紙回覧→その紙に押印→紙を正本として保管
- 契約書は電子、別紙だけ紙、など一部だけ紙が“正”になる状態
事故らない運用ルール(おすすめの線引き)
- 電子でいくなら:電子で完結(紙を“契約書扱いで交付しない”)
- 紙が必要なら:最初から紙で締結(印紙要否も含めて最初に整理)
- 「電子→紙に変換して契約書扱い」は、できるだけ避ける(版ズレと論点増の原因になりやすいです)
7.4 エンジニア向け:電子契約の“保存と版管理”チェックリスト(そのまま運用に落とせます)
フリーランスの業務委託契約書を電子で進めるなら、法律の理解よりも、保存と版管理が結果を分けます。
保存先(おすすめのフォルダ設計)
Contracts/クライアント名/案件名/YYYYMM/01_Final/(締結済PDF+監査ログ)02_Draft/(ドラフト・赤入れ)03_Attachments/(SOW/見積/仕様書/別紙)
最低限保存する3点(これがないと証拠が弱くなりやすい)
- 締結済みPDF(最終版)
- 監査ログ(audit trail / 締結証明)
- 合意メール(“この版でOK”が書かれた文面)
版ズレ防止のチェック(10項目)
- ファイル名に版(v1/v2)と日付が入っている
- 契約書本文の「日付」「当事者」「押印/署名者」が一致している
- 別紙(SOW/仕様書/見積)が“同じ版”として紐づいている
- 添付ファイルが抜けていない(別紙参照のまま未添付になっていない)
- 締結後に差し替え・差分修正が走っていない
- 締結ログがダウンロードでき、保存されている
- 契約の正本(正とする媒体)が明確(電子 or 紙)
- 納品・検収の定義が「ログの残る事実」に寄っている(例:マージ日)
- 支払期日が“日付で特定”されている
- 解除・精算・成果物返却が書かれている(終了時に揉めにくい)
7.5 まとめ:フリーランスの業務委託契約書は“形式”より“運用”で勝つ
セクション7の結論はシンプルで、フリーランスの業務委託契約書は
電子か紙かを揃えて、最終版とログを残して、混在フローを避けるのが安全だと思います。
出典・参考
8. フリーランスの業務委託契約書が不安なとき:相談窓口一覧(決定木+1枚サマリー)
フリーランスの業務委託契約書は、読めないまま進めると「未払い」「一方的な減額」「無限修正」「突然の契約終了」につながりやすいです。
不安があるなら、“自力で抱え込む”が最悪手になりがちなので、第三者(専門家・公的窓口)に当てて、損失の芽を早めに潰していただけると安全です。
8.1 どこに相談すべきか:3分で決まる「決定木」(入口を間違えない)
「フリーランス 業務委託 契約書」を相談する時に一番もったいないのは、相談先のミスマッチで時間が溶けることです。
そこで、まずは“相談目的”を先に切り分けます(契約前の予防なのか、契約後の回収・止血なのか)。
【フリーランス 業務委託 契約書】相談先 決定木
Q1. いま困っているのは「契約前(着手前)」ですか?「契約後(トラブル発生後)」ですか?
├─ 契約前(レビュー/交渉の準備)
│ ├─ 契約書の穴が不安 / 条文の意味が曖昧
│ │ → まず:フリーランス・トラブル110番(無料で法律相談の入口)/ 弁護士・行政書士
│ └─ 取引条件(業務範囲・報酬・支払期日)が口頭/チャットだけで不安
│ → “条件の文面化”を先に依頼 → それでもダメなら:フリーランス法の申出/相談窓口(JFTC等)
└─ 契約後(未払い/減額/解除/ハラスメント等)
├─ 未払い・減額・受領拒否・検収放置・返品/やり直し要求
│ → フリーランス・トラブル110番(状況整理→次の一手)/ 必要なら弁護士
│
├─ 「条件明示なし」「支払期日が不自然」「報復が怖い」などフリーランス法違反が疑わしい
│ → フリーランス法の申出窓口(JFTC・中小企業庁・厚労省の所管に申出)
│
├─ 突然の契約打ち切り/更新拒否(継続案件)で生活に直撃
│ → フリーランス・トラブル110番 → 条項/通知/精算の整理 → 必要なら弁護士
│
└─ ハラスメント(暴言・人格否定・過剰な叱責・性的言動等)
→ 証拠確保 → フリーランス・トラブル110番(相談)→ 状況により厚労省系の情報も確認
- フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、取引条件の明示などを発注側に求めるだけでなく、就業環境の整備(ハラスメントに関する相談体制の整備等)にも踏み込んでいます。
- 「これはフリーランス新法の論点なのか、それとも単なる民事トラブルなのか?」が曖昧な場合は、
フリーランス・トラブル110番 → 必要に応じて申出窓口
という順番で相談すると、論点整理で迷子になりにくくなります。
8.2 相談の質を上げる「1枚サマリー」テンプレ(そのまま提出できる形)
一覧だけだと一般的なので、ここは**実務で本当に効く“提出フォーマット”**を置きます。
「フリーランス 業務委託 契約書」を相談するとき、事実関係が1枚で揃っている人ほど、1回の相談で前に進みやすいです。
1枚サマリー(コピペ用)
案件名/概要(1行):
例)Webアプリの機能追加(準委任/請負の想定:__)
相手情報(支払義務者の特定):
- 会社名:__
- 担当者:__
- メール:__
- ※元請・エージェント・発注部門のどこが契約当事者か:__
契約・合意の形(フリーランスの業務委託契約書 or 発注書/メール):
- 契約書:あり/なし(PDF有無:__)
- 合意日:__
- 着手日:__
- 納品(受領)の定義:__
取引条件(争点になりやすい4点):
- 業務範囲: __
(「やらないこと」が書いてある?:はい/いいえ) - 報酬: __
(税抜/税込:__、計算方法:__) - 支払期日: __
(日付で特定:はい/いいえ、起算点:__) - 期間: __
(更新/解除条件:__)
いま起きている問題(時系列で3〜7行):
- __/__:__
- __/__:__
- __/__:__
相手の主張(原文のまま短く):
例)「検収が終わらないので支払できない」など:__
こちらの希望ゴール(“何を、いつまでに”):
例)「__日までに検収期限+みなし検収を合意し、__日に支払」:__
証拠(添付できるもの):
- 契約書/発注書/見積:__
- メール/チャットログ:__
- 納品証跡:__
(PR URL、コミット hash、チケット URL、納品メール等) - 稼働証跡:__
(タイムシート、カレンダー、稼働報告) - 先方の減額/解除通知:__
自分の譲歩ライン(ここを決めないと交渉が長引きます):
例)「支払期日の特定だけは必須、単価は△%まで調整可」:__
エンジニア案件では、「言った言わない」よりも
**ログ(PR/Issue/メール/タイムシート)**が圧倒的に強いです。
納品や受領の定義を**“ログで証明できる形”**に寄せておくと、
相談先でも話が一気に早く進みます。
8.3 相談窓口一覧(“目的別”に並べ替え:フリーランス業務委託契約書の迷子を防ぐ)
| 困りごと(フリーランス 業務委託 契約書で起きがち) | まず当てる先 | こういう時に強い | 参考リンク |
|---|---|---|---|
| どこに相談すべきか分からない/全体を整理したい | 法テラス | 相談ルートの案内・一般的な法的情報の入口 | 法テラス(公式) |
| 契約・仕事のトラブルをまず無料で相談したい(未払い・減額・解除など) | フリーランス・トラブル110番 | フリーランスの取引トラブルを弁護士に相談する入口 | フリーランス・トラブル110番 |
| 「条件明示なし」「報酬の減額」「受領拒否」「支払期日がおかしい」などフリーランス法っぽい | フリーランス法の申出窓口(所管省庁) | 法令上の義務(取引条件の明示等)に関わる申出・相談 | 厚労省:フリーランスとして業務を行う方(申出窓口案内あり) |
| 本格的に代理交渉・請求・訴訟まで見たい | 弁護士(法律相談センター等) | 受任して交渉・手続まで進める | ひまわり相談ネット(法律相談) |
| 「企業相手の取引」で継続的に相談したい(事業の悩み含む) | 日弁連の中小企業向け窓口等 | 事業者向けの相談導線 | 日弁連:ひまわりほっとダイヤル(中小企業向け) |
フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、
- 取引の適正化(取引条件の明示、報酬減額等の禁止 など)
- 就業環境の整備(ハラスメントに関する相談体制の整備 等)
を主な目的としています。
そのため、違反が疑われる場合の申出については、
公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省といった所管省庁に対して行える、という整理が示されています。
8.4 相談前チェックリスト(“相談1回で前に進む”ための最低限)
「フリーランスの業務委託契約書が不安です」だけだと、
相談先はまず状況整理から入ることになり、解決までに余計な往復が生じやすくなります。
そのため、最低限ここだけ揃えて持ち込むのが安全です。
- 問題のタイプを1つに絞る
(未払い/減額/解除/条件明示なし/ハラスメント/契約書レビューのみ など) - 時系列が整理されている
(いつ・誰が・何を言った/した、が追える) - 文面の証拠がある
(契約書、発注書、見積、メール、Slack/Chatログなど) - こちらのゴールが明確
例:- 「○日までに支払日を確定させたい」
- 「この条項をこう直したい」
- 証拠を“ログ”で出せる
(PR、Issue、コミット履歴、タイムシート、納品メール 等)
エンジニア案件では、主張よりもログの一貫性が重視されます。
相談前に「どのログが証拠になるか」を整理しておくと、初回相談で一気に前進しやすくなります。
出典・参考
- 厚生労働省:フリーランスとして業務を行う方・委託する事業者の方向け
(申出窓口/フリーランス・トラブル110番 等) - フリーランス・トラブル110番(公式)
- 法テラス(公式)
- 内閣官房資料:フリーランス・事業者間取引適正化等法
― 申出・トラブル110番の整理(PDF)
9. まとめ:フリーランスの業務委託契約書に強くなり、安心して開発に集中しよう
フリーランスにとって業務委託契約書の確認は、面倒な事務作業ではなく損失を防ぐ投資です。
「あとで揉めたら考える」は、ほぼ確実に高くつきます。未払い・無限修正・検収放置・一方的な解除は、全部“契約の穴”から起きます。
より詳しい解説は、こちらも参照してください。
この記事の結論(3つだけ)
- 契約形態:準委任か請負かで、責任範囲(納期・品質・修正義務)が変わる
- お金と支払い:業務範囲・検収・支払期日が曖昧だと、支払いは遅れる/減る
- トラブル時の動き:新法・交渉フレーズ・相談窓口を知っている側が勝つ
「よく分からないけどサインする」状態をやめるだけで、フリーランス 業務委託 契約書トラブルの大半は避けられます。
今日からできる3つのアクション(最短で効く順)
- 次の契約から“必須9項目+リスク条項”を機械的に確認する
迷ったら「書いてあるか/書いてないか」だけを見る。書いてないなら質問・追記依頼。 - 支払サイトと中途解除は“前提条件”として確認する
支払が遅い契約は、実質的に単価が下がるのと同じ。
解除条件が曖昧な契約は、稼働を積むほど危険になる。 - 不利すぎる条項は飲まない。最低1回は修正依頼を出す
コツは「質問+懸念+代替案」。それでも通らないなら、受ける/断るを“損得”で判断。
よくある質問(FAQ)
Q1. 契約書なしで業務を始めても大丈夫ですか?
- A. 合意だけでも契約は成立しますが、“証拠が弱い状態”で走るのが危険です。
最低でも、着手前にメール等で「業務範囲・報酬・支払期日・期間・検収」を文章で確定させてください。
Q2. 電子契約(PDF・電子署名)は法的に有効ですか?
- A. 有効です。重要なのは形式より合意の証拠です。
電子署名やクラウド契約は、改ざん防止・本人性の担保で“揉めにくく”なります。
Q3. 業務委託契約書に印紙は必要ですか?
- A. 一般に、紙の契約書は印紙税の対象になり得ます。
一方で、電子契約で完結するなら、紙ほど印紙の論点になりにくいのが実務上の利点です。
※運用が混ざる(印刷して押印交換する等)と判断がややこしくなるので、やるなら“一貫”させるのが安全。
Q4. 開発した成果物を実績(ポートフォリオ)として公開しても良いですか?
- A. まず契約書の「実績公開」「秘密保持」「知財」条項を確認。
書いてない/曖昧なら、事前に書面(メール可)で許可を取る。
迷うなら「画面の一部だけ」「社名伏せ」「機能説明だけ」など、公開範囲を絞って交渉してください。
Q5. 準委任契約と請負契約、どちらが良いですか?
- A. “良い/悪い”ではなくリスクの種類が違うだけです。
- 準委任:安定しやすいが、期待値調整(稼働・役割・成果の定義)が甘いと消耗する
- 請負:高単価を狙えるが、納期・品質・修正範囲の定義が甘いと地獄を見る
自分の案件タイプに合わせて、契約形態と条項をセットで選んでください。
Track Worksで契約・単価交渉をプロに相談しよう
契約の読み方を覚えても、最後に残るのはここです。
「この条件って相場的に妥当?」「どこまで交渉していい?」
ここを一人で抱えると、判断がブレて“安く・危なく”なります。
Track Worksでは、案件紹介だけでなく、フリーランス向けに業務委託契約書と条件交渉の観点も含めてサポートします。
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- 条項の論点整理(どこが危ないか/どこを直すべきか)
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「モヤモヤ」を放置して参画すると、後で必ず回収されます。外部の目線を入れてください。
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※本内容は一般的な情報提供であり、個別案件への法的助言ではありません。重要な契約は専門家への確認を推奨します。






