フリーランスとして活躍するエンジニアの皆様にとって、将来の生活設計は重要なテーマです。特に年金や社会保障については、「会社員時代と比べて保障が減るのでは?」といった不安を感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、フリーランスエンジニアが知っておくべき年金制度の基本から、老後資金を準備するための具体的な対策までを詳しく解説します。国民年金だけでなく、iDeCoや小規模企業共済といった制度の活用方法もご紹介しますので、ぜひご自身の将来設計にお役立てください。適切な制度を組み合わせることで、フリーランスでも十分な老後資金を準備することは可能です。
1. フリーランスと年金制度の基本
フリーランスになると、会社員時代に加入していた厚生年金から国民年金へと切り替わります。この変更により、年金制度における保障内容や仕組みが大きく変わるため、まずはその違いを理解することが大切です。ここでは、フリーランスが直面する年金制度の全体像を整理し、基本的な仕組みについて解説します。
1.1 会社員とフリーランスの年金の違い
会社員は「厚生年金」と「国民年金」の両方に加入しています。厚生年金は、給与に応じて保険料が決まり、会社と折半して支払う仕組みです。一方、フリーランスは「国民年金」のみに加入します。国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての方が加入する義務のある制度です。会社員時代に比べて、将来受け取れる年金額が少なくなる可能性があるため、この違いを理解しておくことが重要です。
1.2 フリーランスが加入する国民年金の仕組みと受給額の目安
国民年金は、現役世代が納めた保険料を高齢者世代の年金給付に充てる「賦課方式」という仕組みで運営されています。保険料は定額で、令和7年度は月額17,510円です。20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)すべて保険料を納付した場合、2025年度は満額で月額69,308円を受け取ることができます。この金額は、あくまで目安であり、物価変動などにより将来的に変わる可能性もあります。
1.3 フリーランスに厚生年金がないことによる影響
フリーランスになると厚生年金がなくなるため、将来受け取れる年金額が国民年金のみとなります。厚生年金は、国民年金に上乗せされる形で支給されるため、会社員時代に比べて老後の収入が減少する可能性が高いです。また、厚生年金には、万が一の際の障害年金や遺族年金といった保障も手厚く含まれています。これらの保障がなくなることで、フリーランスは自助努力による備えがより一層重要になります。
参考文献:
- 4 freee「フリーランス必読!フリーランスと年金の基礎知識」https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/freelance-and-pension/
- 5 TechStock「フリーランスの年金はどうなる?国民年金の基礎・将来の資金の増やし方」https://tech-stock.com/magazine/freelance-pension/
2. フリーランスが直面する年金の課題
国民年金だけでは、老後の生活費をまかなうのが難しいと言われることがあります。フリーランスは、会社員に比べて年金制度上の保障が手薄になるため、特有の課題に直面しやすい傾向があります。ここでは、フリーランスが抱える年金面でのリスクや、将来に備える上で考慮すべき点について整理します。
2.1 フリーランスの年金だけでは老後資金の不足リスク
国民年金を満額受給できたとしても、月額約6.9万円では、ゆとりのある老後生活を送るには不十分と感じる方が多いかもしれません。**生命保険文化センターが2022年度に行った意識調査によると、「老後の最低日常生活費は月額で平均23.2万円」、「ゆとりある老後生活費は平均37.9万円」**とされています。
国民年金だけでは、最低日常生活費でさえ大きく不足することが分かります。この差額を埋めるために、**月額約16.3万円(最低日常生活費の場合)から約31万円(ゆとりある生活の場合)**の追加資金が必要になる計算です。不足分を補うための老後資金を自分で準備する必要があります。
老後資金の準備と合わせて、フリーランスエンジニア必見!年金対策完全ガイドについても確認しておくと安心です。
2.2 フリーランスの障害年金・遺族年金の保障の薄さ
会社員が加入する厚生年金には、病気やケガで働けなくなった場合の「障害厚生年金」や、一家の働き手が亡くなった場合の「遺族厚生年金」といった手厚い保障があります。しかし、フリーランスが加入する国民年金には、これらの保障が限定的です。国民年金にも障害年金や遺族年金はありますが、厚生年金に比べて受給要件や金額が厳しくなる傾向があります。万が一の事態に備え、民間の保険なども検討することが大切です。
保障を「福利厚生の代替」として整える考え方は、フリーランスの福利厚生は自分で創る!最強プラン設計術でも補足しています。
2.3 フリーランスの年金に影響するインフレや長寿化によるリスク
年金制度は、インフレ(物価上昇)や長寿化といった社会情勢の影響を受けやすい側面があります。物価が上昇すれば、将来受け取る年金の価値が相対的に目減りする可能性があります。また、平均寿命が延びることで、年金受給期間が長くなり、老後資金が不足するリスクも高まります。これらのリスクに備えるためにも、年金以外の方法で資産形成を進めることが推奨されます。
2.4 フリーランスが65歳以降も働きながら年金を受け取るメリット
2025年現在、フリーランス(国民年金第1号被保険者)の場合、65歳以降も働きながら老齢基礎年金を受け取ることができます。会社員の場合は「在職老齢年金」の仕組みによって老齢厚生年金が一部または全額カットされる可能性がありますが、個人事業主として働いている限り、この制限はありません。これは、フリーランスにとって大きなメリットと言えるでしょう。
参考文献:
- 1 Krow「【2025年最新】65歳を超えても個人事業主として働ける?年金はもらえる?」https://krow.co.jp/media/archives/3582
- 4 freee「フリーランス必読!フリーランスと年金の基礎知識」https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/freelance-and-pension/
3. フリーランスの年金を増やす国民年金基金の活用
フリーランスが公的に利用できる年金の上乗せ制度の一つに「国民年金基金」があります。これは、国民年金に上乗せして加入することで、将来受け取る年金額を増やすことができる制度です。仕組みやメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合わせて活用を検討してみましょう。
3.1 フリーランスが加入できる国民年金基金とは?
国民年金基金は、フリーランスや個人事業主が加入できる公的年金上乗せ制度です。国民年金だけでは不足しがちな老後資金を補うことを目的としています。加入は一口から可能で、複数の型を組み合わせて加入することもできます。掛金は全額所得控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できるメリットがあります。
3.2 掛金と受給額の仕組み
国民年金基金の掛金は、加入する型や口数、年齢によって異なります。月額68,000円が上限と定められています。掛金は、将来受け取る年金額に反映される仕組みです。例えば、終身年金A型に加入した場合、加入期間に応じて一定額の年金を一生涯受け取ることができます。掛金は途中で変更することも可能ですが、減額には条件があるため注意が必要です。
3.3 国民年金基金はどんなフリーランスに向いているか
国民年金基金は、特に以下のような方に適しています:
安定した収入があり、長期的に掛金を支払い続けられる方
- 国民年金基金は途中脱退ができないため、継続的な支払い能力が重要です
確実な年金額を求める方
- 投資リスクを取りたくない、確定した年金額を受け取りたい方に向いています
税制優遇を重視する方
- 掛金が全額所得控除になるため、所得税率が高い方ほどメリットが大きくなります
3.4 メリット・デメリットの整理
国民年金基金のメリットは、掛金が全額小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、高い節税効果が期待できる点です。また、公的な制度であるため、比較的安定した運用が期待できるでしょう。デメリットとしては、原則として途中で脱退や解約ができない点が挙げられます。一度加入すると、60歳まで掛金を払い続ける必要があるため、長期的な視点で計画を立てることが重要です。
参考文献:
- 1 Krow「【2025年最新】65歳を超えても個人事業主として働ける?年金はもらえる?」https://krow.co.jp/media/archives/3582
- 2 Paytner「フリーランスが加入できる年金保険とは|基礎知識から老後に備える方法まで解説」https://paytner.co.jp/paytter/freelance/4211/
- 3 ポテパンフリーランス「【保存版】フリーランスエンジニアのための年金・保険・税金の基礎知識」https://freelance.potepan.com/blogs/1859
4. フリーランスの年金対策にiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用
節税効果が高く、フリーランスに人気の制度がiDeCo(イデコ)です。iDeCoは、自分で掛金を拠出し、自分で運用商品を選んで運用する私的年金制度です。投資信託などを活用するためリスクもありますが、長期的な資産形成に有効な手段として注目されています。
4.1 iDeCoの基本仕組み
iDeCoは、毎月一定額の掛金を拠出し、その掛金を自分で選んだ投資信託や預金などで運用します。運用益は非課税で再投資され、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができます。掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税、さらに受け取り時にも税制優遇があるという、3つの税制メリットが特徴です。
4.2 フリーランスのiDeCo掛金上限と節税効果
フリーランス(国民年金第1号被保険者)の場合、iDeCoの掛金上限は月額68,000円(年間81.6万円)です。この掛金は全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を大きく軽減できます。例えば、所得税率20%の方が月額2万円を拠出した場合、年間で約4.8万円の税金が軽減される計算になります。ご自身の所得や税率に合わせて、無理のない範囲で掛金を設定することが大切です。
控除の反映は確定申告での処理が必要になるため、フリーランス確定申告、経費・青色申告で損してない?も合わせて確認してください。
4.3 投資リスクと注意点
iDeCoは、投資信託などを自分で選んで運用するため、元本保証ではありません。運用状況によっては、元本割れのリスクがあることを理解しておく必要があります。また、原則として60歳まで資産を引き出すことができません。急な資金が必要になった場合でも、途中で解約して引き出すことはできないため、余裕資金で始めることが重要です。ご自身の投資経験やリスク許容度に合わせて、運用商品を選ぶようにしましょう。
4.4 iDeCoの具体的な始め方
iDeCoを始めるには、以下の手順で進めます:
1. 金融機関の選択
- 証券会社、銀行、保険会社などがiDeCoを取り扱っています
- 運用商品の選択肢や手数料を比較して選択しましょう
2. 申込手続き
- 選んだ金融機関で申込書類を入手し、必要事項を記入
- 本人確認書類などの提出が必要です
3. 掛金の設定
- 月額5,000円から68,000円の範囲で設定
- 年1回まで金額変更が可能です
4. 運用商品の選択
- 元本保証型(定期預金など)から投資信託まで幅広く選択可能
- 最初は少額から始めて慣れていくことをおすすめします
参考文献:
- 2 Paytner「フリーランスが加入できる年金保険とは|基礎知識から老後に備える方法まで解説」https://paytner.co.jp/paytter/freelance/4211/
5. フリーランスの年金代わりになる小規模企業共済の活用
フリーランスの「退職金制度」とも呼ばれる小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の経営者のための退職金制度です。老後資金だけでなく、廃業時や事業資金の借入にも活用できるため、フリーランスにとって非常に有用な制度と言えるでしょう。
5.1 小規模企業共済の仕組み
小規模企業共済は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する制度です。毎月一定の掛金を積み立てることで、事業を廃止した際や役員を退任した際に、共済金(退職金)を受け取ることができます。掛金は全額所得控除の対象となり、iDeCoと同様に高い節税効果が期待できます。また、共済金は退職所得扱いとなるため、受け取り時にも税制優遇があります。
5.2 掛金と受取方法
小規模企業共済の掛金は、月額1,000円から70,000円までの範囲で、500円単位で自由に設定できます。掛金は途中で増額・減額することも可能です。共済金の受け取り方法は、一括で受け取る「一括受取」と、分割で受け取る「分割受取」があります。ご自身のライフプランや税制上のメリットを考慮して、最適な受け取り方法を選択することが推奨されます。
5.3 元本割れリスクの具体例
小規模企業共済には、途中解約時の元本割れリスクがあることを理解しておく必要があります。具体的には以下のような状況が発生します:
加入12ヶ月未満での任意解約
- 掛金が完全に掛け捨てとなり、1円も戻ってきません
- 例:月3万円を10ヶ月支払った場合、30万円が全額没収
加入20年未満での任意解約
- 支払った掛金総額を下回る金額しか戻ってきません
- 例:月3万円を10年間支払った場合、360万円支払ったのに約320万円程度しか戻らない
このため、小規模企業共済は20年以上継続することを前提として加入を検討することが重要です。
5.4 メリット・デメリット
小規模企業共済の最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象となることによる高い節税効果です。また、共済金を受け取る際に退職所得控除が適用されるため、税負担を抑えることができます。さらに、積み立てた掛金の範囲内で事業資金の貸付制度を利用できる点も魅力です。デメリットとしては、加入後12ヶ月未満で任意解約した場合、掛金が掛け捨てになる可能性がある点が挙げられます。また、20年未満の任意解約では、元本割れするリスクがあるため注意が必要です。
参考文献:
- 2 Paytner「フリーランスが加入できる年金保険とは|基礎知識から老後に備える方法まで解説」https://paytner.co.jp/paytter/freelance/4211/
6. フリーランスの年金不足を補う新NISA・投資による資産形成
公的な制度だけでなく、ご自身で投資による資産形成を進めることも非常に重要です。特に、長期・積立・分散投資を基本とする新NISA制度は、投資初心者の方でも始めやすく、フリーランスの資産形成に適していると言えるでしょう。
6.1 新NISA制度の仕組み
2024年から始まった新NISA制度は、老後資金だけでなく、さまざまなライフイベントに向けた資産形成をサポートする制度です。 最大の変更点は、非課税で投資できる生涯の限度額が1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)と設定されたことです。この1,800万円の枠を使い切るまで、非課税で投資を続けられます。 また、年間投資枠も大きく拡大されました。従来のつみたてNISAは年間40万円が上限でしたが、新制度では「つみたて投資枠」(年間120万円)と「成長投資枠」(年間240万円)を併用でき、合計で年間360万円まで投資できます。非課税保有期間も無期限となり、より長期的な資産形成に適した制度へと進化しています。
6.2 フリーランスにとって現実的な活用方法
年間360万円という上限額は高額に感じるかもしれませんが、フリーランスにとっては以下のような現実的な活用方法があります:
段階的な投資の増額
- 最初は月1-3万円程度から始めて、収入が安定してきたら徐々に増額
- つみたて投資枠だけでも月10万円まで投資可能
収入の波に合わせた柔軟な投資
- 収入が多い月は多めに投資、少ない月は最低限に調整
- いつでも売却可能なので、急な資金需要にも対応できる
6.3 iDeCoとの違いと使い分け
iDeCoと新NISA制度は、どちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度ですが、目的や特徴が異なります。iDeCoは「老後資金」に特化した制度であり、原則60歳まで引き出せません。一方、新NISA制度は、老後資金だけでなく、住宅購入資金や教育資金など、幅広い目的で利用できる柔軟性があります。iDeCoで老後資金の基盤を築きつつ、新NISA制度でそれ以外の目的の資産形成を進めるなど、両者を併用する戦略も有効です。
6.4 投資初心者が注意すべき点
投資を始める際には、いくつかの注意点があります。まず、投資には元本割れのリスクがあることを理解しておく必要があります。また、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが大切です。投資先の分散や、定期的な積立投資を行うことで、リスクを軽減できる可能性があります。ご自身の投資目標やリスク許容度を明確にし、無理のない範囲で始めることが成功の鍵となるでしょう。
7. フリーランスの年金・資産形成の組み合わせ戦略と優先順位
国民年金基金、iDeCo、小規模企業共済、新NISA制度など、様々な制度がある中で、これらをどのように組み合わせるかが重要です。ご自身の年齢やライフステージ、収入状況に合わせて最適な戦略を立てることで、効率的に老後資金を準備することができます。
7.1 フリーランスが最初にやるべき年金対策の優先順位
第1優先:iDeCo税制優遇の面では、掛金が全額所得控除になる確定拠出年金に軍配が上がります。これは新NISAにはない大きなメリットです。まずは月額1-2万円程度から始めることを推奨します。
第2優先:小規模企業共済 フリーランスの退職金制度として、iDeCoと並んで重要な制度です。**iDeCo(60歳)、小規模企業共済(65歳)**という順番で受け取ると税制メリットを得ることが可能とされています。
第3優先:新NISA制度 iDeCoや小規模企業共済で基盤を築いた後、余裕資金があれば新NISA制度を活用するのが賢明な戦略です。
第4優先:国民年金基金・付加年金 確実な年金額を求める方や、投資リスクを取りたくない方は検討してみましょう。付加年金は月400円の上乗せで、将来の年金を増やせる制度です。
7.2 20〜30代フリーランス:少額から始める年金・資産形成
20〜30代は、資産形成を始めるのに最適な時期です。若いうちから少額でも積立投資を始めることで、複利の効果を最大限に享受できます。まずはiDeCoや新NISA制度を活用し、月々数千円からでも積立を始めるのがおすすめです。この時期は、リスクをやや高めに設定し、積極的に資産を増やすことを目指すのも良いでしょう。
推奨プラン例(月収40万円の場合)
- iDeCo:月2万円(年間24万円の所得控除効果)
- 新NISA:月1-2万円(余裕に応じて調整)
- 小規模企業共済:月1万円(慣れてきたら増額)
7.3 40代フリーランス:年金対策と節税のバランス
40代になると、収入も安定し、老後が現実味を帯びてくる時期です。この時期は、節税効果の高いiDeCoや小規模企業共済の掛金を増額することを検討してみましょう。また、国民年金基金への加入も選択肢の一つです。老後資金の準備を加速させつつ、税負担を軽減するバランスの取れた戦略が求められます。
推奨プラン例(月収60万円の場合)
- iDeCo:月4-5万円(上限近くまで活用)
- 小規模企業共済:月3-5万円
- 新NISA:月3-5万円
- 国民年金基金:余裕があれば検討
7.4 50代以降のフリーランス:年金受給を見据えた戦略
50代以降は、老後資金の準備の最終段階に入ります。この時期は、リスクの高い投資から、より安定した運用に切り替えることを検討するのも良いでしょう。iDeCoや小規模企業共済の掛金は継続しつつ、将来の受給額や受け取り方法について具体的にシミュレーションを行うことが重要です。必要に応じて、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、最適なプランを立てることをおすすめします。
7.5 フリーランスエンジニアの年金・資産形成の活用事例
Aさん(30代前半、年収600万円)の場合
- iDeCo:月3万円(株式中心の投資信託で運用)
- 小規模企業共済:月2万円
- 新NISA:月3万円(つみたて投資枠を活用)
- 合計:月8万円の資産形成で、年間約20万円の節税効果
Bさん(40代後半、年収800万円)の場合
- iDeCo:月5万円(バランス型投資信託で安定運用)
- 小規模企業共済:月7万円(上限に近い金額で節税効果を最大化)
- 新NISA:月5万円
- 国民年金基金:月2万円
- 合計:月19万円の資産形成で、年間約50万円の節税効果
参考文献:
- 1 Krow「【2025年最新】65歳を超えても個人事業主として働ける?年金はもらえる?」https://krow.co.jp/media/archives/3582
8. 制度利用の具体的な手続きの流れ
各制度を実際に始める際の手続きについて、具体的な流れをご紹介します。「どこで申し込むのか」「どれくらい時間がかかるのか」といった疑問にお答えします。
8.1 iDeCoの申込手続き
申込先
- 証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)
- 銀行(三菱UFJ銀行、みずほ銀行など)
- 保険会社各社
必要書類
- 個人型年金加入申出書
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 国民年金手帳または年金手帳
手続きの流れと期間
- 金融機関の選択・資料請求(1-2日)
- 申込書類の記入・提出(1週間程度)
- 国民年金基金連合会での審査(1-2ヶ月)
- 口座開設通知書の到着・運用開始
合計期間:約2-3ヶ月
8.2 小規模企業共済の申込手続き
申込先
- 商工会議所
- 商工会
- 中小企業団体中央会
- 金融機関(銀行、信用金庫など)
必要書類
- 小規模企業共済契約申込書
- 個人事業の開業・廃業等届出書の控え
- 所得税の確定申告書の控え
- 本人確認書類
手続きの流れと期間
- 申込窓口で相談・書類作成(1日)
- 書類提出・審査(2-3週間)
- 共済契約締結証書の送付・掛金引き落とし開始
合計期間:約1ヶ月
8.3 国民年金基金の申込手続き
申込先
- 全国国民年金基金
- 各都道府県の国民年金基金
必要書類
- 国民年金基金加入申出書
- 国民年金保険料納付確認書類
- 本人確認書類
手続きの流れと期間
- 加入申出書の提出(1週間程度)
- 審査・契約成立(2-3週間)
- 加入員証の送付・掛金引き落とし開始
合計期間:約1ヶ月
8.4 新NISA口座の開設手続き
申込先
- 証券会社
- 銀行
- 信用金庫など
必要書類
- NISA口座開設申込書
- 本人確認書類
- マイナンバー確認書類
手続きの流れと期間
- 申込書類の提出(1週間程度)
- 税務署での重複確認(1-2週間)
- 口座開設完了通知・投資開始
合計期間:約2-3週間
9. 年金・資産形成に関するよくある誤解
年金や資産形成については、様々な情報が飛び交い、誤解も生まれやすい分野です。「国民年金は払っても意味がない」「iDeCoは元本保証」といった誤った情報に惑わされないよう、正しい理解を深めることが大切です。
9.1 国民年金は最低限の保障として重要
「国民年金は払っても意味がない」という意見を聞くことがありますが、これは誤解です。国民年金は、老後の生活を支える最低限の保障であり、万が一の際の障害年金や遺族年金の基礎となる重要な制度です。未納期間があると、将来の年金額が減るだけでなく、これらの保障も受けられなくなる可能性があります。国民年金は、フリーランスにとって最も基本的な社会保障制度であることを理解しておきましょう。
9.2 iDeCoは投資なので元本保証ではない
iDeCoは、自分で運用商品を選ぶ「確定拠出年金」であり、元本保証ではありません。預金を選択すれば元本保証となりますが、投資信託を選んだ場合は、市場の変動によって元本割れするリスクがあります。iDeCoの最大のメリットは税制優遇であり、運用益が非課税になる点です。このメリットを最大限に活かすためには、リスクとリターンを理解した上で、ご自身の目標に合った運用商品を選ぶことが重要です。
9.3 小規模企業共済は途中解約に注意
小規模企業共済は、フリーランスの退職金制度として非常に魅力的ですが、途中解約には注意が必要です。特に、加入後20年未満で任意解約した場合、それまでに払い込んだ掛金の総額を下回る「元本割れ」が発生する可能性があります。また、加入後12ヶ月未満での任意解約は、掛金が掛け捨てになるため、慎重な判断が求められます。長期的な視点で計画を立て、無理なく継続できる掛金を設定することが大切です。
参考文献:
- 3 ポテパンフリーランス「【保存版】フリーランスエンジニアのための年金・保険・税金の基礎知識」https://freelance.potepan.com/blogs/1859
- 5 TechStock「フリーランスの年金はどうなる?国民年金の基礎・将来の資金の増やし方」https://tech-stock.com/magazine/freelance-pension/
10. まとめ:フリーランスは早めの年金対策がカギ
フリーランスエンジニアの皆様にとって、年金制度は会社員時代とは大きく異なります。国民年金だけでは老後の生活費をまかなうのが難しい現実があるため、自助努力による年金対策が欠かせません。
国民年金基金、iDeCo、小規模企業共済、そして新NISA制度といった制度を賢く組み合わせることで、将来への不安を軽減し、安心してフリーランスとして働き続けることができるでしょう。特に、これらの制度は税制優遇が手厚いため、早めに始めることでそのメリットを最大限に享受できます。
今日から始める3つのアクション
1. まずはiDeCoから始めよう
- 月額1-2万円程度から始める
- 証券会社で口座開設の手続きを行う
- 最初はバランス型投資信託を選択
2. 小規模企業共済の検討
- 商工会議所で相談してみる
- 月額2-3万円程度から始める
- 20年以上継続する前提で検討
3. 将来設計の見直し
- 老後に必要な資金を計算してみる
- 現在の年金見込み額を確認する
- 必要に応じて専門家に相談
ご自身のライフステージや収入状況に合わせて、最適な年金・資産形成の戦略を立て、今日から行動を始めることが、豊かな老後への第一歩となります。
参考文献:
- 4 freee「フリーランス必読!フリーランスと年金の基礎知識」https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/freelance-and-pension/
- 5 TechStock「フリーランスの年金はどうなる?国民年金の基礎・将来の資金の増やし方」https://tech-stock.com/magazine/freelance-pension/
主要参考文献一覧:
- 1 Krow「【2025年最新】65歳を超えても個人事業主として働ける?年金はもらえる?老後資金対策も解説!」https://krow.co.jp/media/archives/3582
- 2 Paytner「フリーランスが加入できる年金保険とは|基礎知識から老後に備える方法まで解説」https://paytner.co.jp/paytter/freelance/4211/
- 3 ポテパンフリーランス「【保存版】フリーランスエンジニアのための年金・保険・税金の基礎知識」https://freelance.potepan.com/blogs/1859
- 4 freee「フリーランス必読!フリーランスと年金の基礎知識」https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/freelance-and-pension/
- 5 TechStock「フリーランスの年金はどうなる?国民年金の基礎・将来の資金の増やし方」https://tech-stock.com/magazine/freelance-pension/
出典 1 https://krow.co.jp/media/archives/35822 https://paytner.co.jp/paytter/freelance/4211/3 https://freelance.potepan.com/blogs/18594 https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/freelance-and-pension/5 https://tech-stock.com/magazine/freelance-pension/6 https://freelance.levtech.jp/guide/detail/11/7 https://miraie-group.jp/sees/article/detail/freelance_nenkin_knowledge8 https://persol-xtech.co.jp/column/eng-utilize/20250512-014233.html9 https://www.engineer-factory.com/media/working/2091/10 https://freelance-hub.jp/column/detail/306/






