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SIerと自社開発の違い|フリーランスエンジニアの案件選び

SIerと自社開発の違い|フリーランスエンジニアの案件選び



フリーランスエンジニアとして活動する中で、SIer案件と自社開発案件、どちらを選ぶべきか迷うことはありませんか。 それぞれの案件には異なる特徴があり、働き方やスキルアップ、将来のキャリアに大きく影響します。この記事では、SIerと自社開発の違いを多角的に比較し、あなたのキャリアプランに合った案件を見つけるための判断基準とヒントをお伝えします。

1. SIerと自社開発の基本的な違いとは

フリーランスエンジニアが案件を選ぶ際、まず理解しておきたいのがSIerと自社開発の基本的な違いです。両者の定義やビジネスモデルを整理することで、案件の性質や関わり方が見えてきます。

1.1 SIerとは?特徴と役割

SIer(エスアイヤー)とは、System Integrator(システムインテグレーター)の略称です。顧客企業の課題を解決するため、システムの企画から設計、開発、運用、保守までを一貫して請け負う企業を指します。SIerは顧客に代わり、システムの開発から保守まで一括して請け負うのが特徴で、企業の情報システムの導入や構築、業務プロセスの改善や効率化、データベースの設計や構築、セキュリティ対策などの業務を手がけています。

SIerは大きくメーカー系、ユーザー系、独立系の3つに分類されます。メーカー系は、パソコンなどのハードウェアメーカーを親会社に持つ企業(NECや富士通など)です。ユーザー系は、従来企業の情報システム部門が独立したもので、親会社の業界に特化した案件を多く手がけています。独立系は、純粋にシステムインテグレーション事業を行うために設立された企業です。

フリーランスエンジニアは、SIerが請け負ったプロジェクトの一部を担う形で参画することが一般的です。SIer出身者を条件に掲げる案件も少なくなく、実践的なスキルや大規模プロジェクトの経験を持つフリーランスは特に重宝される傾向があります。

1.2 自社開発とは?特徴と役割

自社開発企業とは、自社で企画・開発したサービスやプロダクトを運営している企業のことです。Webサービス、スマートフォンアプリ、SaaS(Software as a Service)など、多岐にわたるサービスを展開しています。近年では、メルカリ、SmartHR、freee、Wantedlyといった企業が自社サービスの成長により注目を集めており、若手エンジニアの間では「自分たちの手でサービスを作る」「社会にインパクトを与える」という理念に強く惹かれる傾向が見られます。

自社開発企業では、プロダクトの成長やユーザー体験の向上を目的とした開発が中心です。開発したサービスの所有権は自社にあるため、「それ、私が作りました!」と言える誇りや、受賞や評価を自社の功績として喜べるという精神的な充実感も得られます。

フリーランスエンジニアは、自社プロダクトの開発チームの一員として、特定の機能開発や改善に携わることが多く、プロダクト全体に一貫して関わる機会が豊富です。技術選定の自由度やアジャイルな開発プロセス、裁量ある働き方といった要素も相まって、エンジニアとしての理想を叶える環境として高く評価されています。

1.3 両者のビジネスモデルの違い

SIerは、顧客からの受託開発が主なビジネスモデルです。顧客の要望に応じたシステムを構築し、その対価として報酬を得ます。請負契約の形態が多く、発注者が要望を伝え、SIerがそれに沿ってシステムを作り上げて納品します。顧客の要望や条件に基づき開発を進めるため、途中で仕様変更や新機能の追加が発生した場合も、契約やスケジュールの制約から、即座に柔軟な対応が難しい場合があります。

一方、自社開発企業は、自社プロダクトやサービスを提供し、その利用料や広告収入、サブスクリプション料金などで収益を上げるビジネスモデルです。ユーザーの声を直接聞き、サービスの改善に素早く活かせるのが特徴で、機能追加や方針変更なども自社の判断で決定できるため、市場の動きやトレンドに柔軟に対応しやすくなっています。

このビジネスモデルの違いが、案件の進め方や求められるスキル、働き方にも大きく影響を与えることになります。SIerでは顧客の要望を正確に理解し、契約通りに納品することが重視されるのに対し、自社開発では市場やユーザーのニーズに応じた柔軟な対応力や、プロダクトを成長させるための創造性が求められる傾向があります。

「そもそもエンジニアとしてどんなキャリアを歩むべきかまだイメージが曖昧…」という方は、エンジニアになるにはの基礎から整理した記事もあわせてチェックしてみてください。

2. SIerと自社開発の開発プロセスの違い

案件ごとに開発プロセスが異なるため、フリーランスエンジニアとして関わる工程や役割も変わってきます。これは、あなたが案件を通じてどのようなスキルを習得したいか、どのような経験を積みたいかに直結する重要なポイントです。

2.1 SIer案件における工程の特徴

SIer案件では、ウォーターフォール型開発が採用されるケースが多く見られます。 これは、要件定義から設計、開発、テスト、運用といった工程を順序立てて進める開発手法です。 2025年現在でも、日本のシステム開発の多くでは、この手法が主流であり続けています。

特に金融・公共・製造業などの基幹システムでは、Q(品質)C(コスト)D(納期)の達成が絶対的な命題として存在しており、これらを満たすために事前の調査や計画に膨大な時間を費やします。 ウォーターフォールモデルの各工程である企画・要件定義・基本設計・詳細設計・開発という工程ごとに、異なる下請けIT企業が役割を担う体制が構築されているのも特徴です。

フリーランスエンジニアは、特定の工程(例:詳細設計、プログラミング、テスト)に特化して参画することが多いでしょう。 大規模なプロジェクトでは、各工程が細分化され、専門性の高い役割が求められることもあります。 上流工程の案件を獲得するためには、開発業務をひと通りこなしておく必要があり、最低でも3年以上の実務経験が目安になります。 また、SIer案件の特徴として、プロジェクトの目的が「成果を出すこと」ではなく「最初に決めたQCDを守ること」になりがちな構造があります。 これは、あらゆる不確実性を見越して工数を多めに設定し、リスク費用を上乗せする防衛的な戦略によるものです。

2.2 自社開発案件における工程の特徴

自社開発案件では、アジャイル開発やスクラムといった、柔軟性の高い開発手法が採用される傾向にあります。 短期間での開発と改善を繰り返し、ユーザーのフィードバックを迅速に反映させながらプロダクトを成長させていきます。

アジャイル開発では通常、10人以下の少人数でチーム(スクラム)を組み、細かい仕様書に書かれたとおりに機能を作るのではなく、ユーザーが求める価値の理解を土台として開発を進めます。 人の時間を貴重なものとして捉え、1日の働き方を厳密に決めるのも特徴的です。

例えば、毎朝15分間、全員の会合(デイリースクラム)で必要な情報を共有し、分担や進捗状況を確認した後、30分単位で切り分けられた仕事(バックログ)にチャレンジします。 その際、一定の投入量の中で、ユーザーの求める価値を実現するために、最低限必要な機能に絞られた「Minimum Viable Product(MVP)」の開発に注力することが特徴です。

フリーランスエンジニアは、企画段階から運用まで、プロダクト全体に一貫して関わる機会が多く、スピード感を持って開発を進めたい方には魅力的な環境と言えるでしょう。事業課題を解決するための適切な技術選択や効率的な実装ができる技術力が前提となり、技術と事業成長の両方を理解するエンジニアが求められています。

2.3 フリーランスが関わりやすいフェーズの違い

SIer案件では、プロジェクトの特定のフェーズで人手が不足した際に、即戦力としてフリーランスが求められることがあります。例えば、開発フェーズでのプログラミングや、テストフェーズでの品質保証などです。未経験者や経験が浅い新入社員を迎えると教育に時間がかかりますが、フリーランスであれば参画後すぐに活躍してくれるという企業側のニーズがあります。

SIer案件の場合、「ある程度の方向は定まっているけど人が足りない。何人か人がほしい」という状況でフリーランスが活用されるケースが多く、特定のスキルセットを持った専門家として短期間で成果を出すことが期待されます。

一方、自社開発案件では、新機能開発や既存機能の改善、技術的な課題解決など、プロダクトの成長に直接貢献する形でフリーランスが参画しやすい傾向があります。特に成長企業では、求める技術領域のすべてが恒常的に必要かどうか判断が難しく、技術は日々進化し変わるため、期間を決めて力を貸してもらえるフリーランスの活用が進んでいます。

「実際にフリーランスとして案件に参画するまでの具体的なステップ」を知りたい方は、フリーランス エンジニア 始め方の記事で、独立までのロードマップや案件獲得の流れを詳しく解説しています。

3. SIerと自社開発の働き方の違い(フリーランス視点で深掘り)

フリーランスにとって、働き方は案件選びの重要な要素です。単に「常駐かリモートか」だけでなく、副業のしやすさや稼働期間など、フリーランス特有の視点から働き方の違いを深掘りしてみましょう。

3.1 SIer案件はなぜ常駐が多いのか?

SIer案件では、顧客企業との密な連携や、セキュリティ上の理由から常駐が求められるケースが多くあります。2次請け以降のSIerの場合、客先常駐が特に多くなる傾向があります。これは、多重下請け構造になりやすいIT企業では、下請けになればなるほど仕事が選べないため、需要の多い客先常駐案件を多く扱うことになるからです。 客先常駐が多い具体的な理由として、以下が挙げられます:

  • クライアント企業にとって、仕様やスケジュールの確認が楽
  • すぐにコミュニケーションが取れる
  • セキュリティの心配をしなくて良い

特に金融や公共機関を中心とする高セキュリティシステムの要件から常駐需要は一定の水準を保っています。顧客のシステム環境に直接アクセスする必要があったり、機密性の高い情報を扱うため、物理的なセキュリティが重視されることも理由の一つです。 ただし、SIerでも受託開発企業として自社内開発に特化している企業や、自社製品でも強みがあるSIerであれば、客先常駐する必要がないケースもあります。このようなSIerでは、より柔軟な働き方が可能な場合もあります。

3.2 自社開発案件でリモートが多い理由

自社開発企業では、リモートワークを積極的に導入しているケースが多く見られます。2025年8月時点のJavaフリーランス案件・求人におけるリモートワーク比率を見ると、フルリモートが25%、一部リモートが51.5%となっており、リモート対応は約76.5%と高い水準にあります

リモートワークが多い背景として、以下の要因が挙げられます:

  • 自社サービス開発が中心であるため、場所にとらわれずに開発を進めやすい環境がある
  • 優秀なエンジニアを確保するために、柔軟な働き方を許容する企業が増加
  • Spring BootやQuarkusによるマイクロサービス化とクラウド移行が進み、リモート開発の生産性が向上
  • テスト自動化やCI/CD、監視基盤の整備が在宅開発を後押し

企業側も柔軟な働き方を提供することで優秀な人材を確保しようとしています。

設計から運用まで横断的に対応できるエンジニアほどリモート案件の選択肢が広がりやすい状況にあります。フルリモートや週数日の出社など、多様な働き方が選択肢となることが多いでしょう。

リモート前提だと生産性が評価に直結するので、AIコーディングによる効率化は武器になります(ただし品質レビューは必須)。

【参考・出典】

3.3 副業フリーランスに向いている案件タイプ

副業としてフリーランス活動を考えている方には、リモートワークが可能で、かつタスクが明確に切り出されている案件が向いています。自社開発案件の中には、特定の機能開発やバグ修正など、時間や場所の制約が少ない形で参画できるものがあります。

実際に、週3日から参画可能な案件も多数存在しており、副業フリーランスにとって選択肢が広がっています。SIer案件でも、一部のフェーズや特定のタスクであればリモートで対応可能な場合もありますが、事前にしっかりと確認することが重要です。

本業と両立しながら無理なく働くには、フリーランス スケジュール管理で紹介しているような、稼働時間の見積もり方やタスク管理のコツも押さえておくと安心です。

Track Worksがサポートする多様な働き方 株式会社ギブリーが運営するTrack Worksでは、生成AI分野のリーディングカンパニーとして850社以上のプロジェクトを推進してきた実績を活かし、大手企業との協業による一次請け案件を独自に保有しています。

特に、**業界No.1のコーディングテストツール「Track Test」**を活用することで、職歴書や面談だけでは判断しづらい技術力を定量的に可視化し、ご自身のスキルレベルと案件要件とのマッチング精度を高めています。

実際の案件では、プロジェクトマネージャーやAI/ITコンサルタントなどの上流工程ポジションにおいて、月48~80時間程度の稼働で参画できる案件が存在します。一方、AIエンジニアやデータサイエンティストといった開発ポジションでは、技術検証や実装の性質上、月120~160時間の本格的な稼働を求められるケースもあります。

このように、ポジションや案件の性質に応じて稼働量が設計されており、ご自身のスキルセットと希望する働き方に合わせた案件選択が可能です。

Track Works(トラックワークス)|副業・フリーランス×高単価AI案件|先端技術でキャリアと収入UP)

3.4 長期稼働と短期稼働のメリット・デメリット

フリーランスの案件には、数ヶ月単位の短期稼働と、年単位の長期稼働があります。2025年の最新動向を踏まえ、両者のメリット・デメリットを整理してみましょう。

長期稼働案件のメリット・デメリット

  • メリット:
    • 安定した収入が見込める点が大きなメリットです
    • プロジェクトに深くコミットし、チームの一員として貢献できる喜びも得られる
    • 継続的な関係構築により、リテンションの高いクライアントとの関係を築くことで、再依頼を受けやすくなる
    • 3か月〜1年以上の長期契約により、毎月一定の収入を確保でき、予測可能な収入を実現
    • 長期案件では「次回更新時に単価アップ」という交渉が可能
  • デメリット:
    • 技術トレンドに遅れるリスクがある
    • 最初の契約単価から大きく伸びないケースが多い
    • 環境が合わないと消耗する(現場の雰囲気やマネジメントが合わないと、長期案件は苦痛になりやすい

短期稼働案件のメリット・デメリット

  • メリット:
    • 急募やスポット対応が多いため、時給換算すると高額になるケースが多い
    • 多様なプロジェクトを経験できるため、幅広いスキルや知識を習得しやすい
    • 新しい技術に触れやすい(スタートアップやPoC案件など、最新の技術を試す現場に入れることがある)
    • ストレスになるプロジェクトから離脱しやすい
  • デメリット:
    • 3ヶ月・6ヶ月契約が多いため、次の案件を早めに探す必要がある
    • 案件探しの手間や収入の不安定さも考慮する必要がある
    • スキルが"つまみ食い"になる可能性(広く浅く関わるだけで深い知識を得られないことも

最適な戦略

ある調査では、2025年の市場動向を踏まえると「短期案件×長期案件の組み合わせが収益を伸ばしやすい」という結果が示されています。 ただしこれは一つの戦略に過ぎず、スキルやライフスタイルによって最適な選択は異なります。具体的な考え方の例として:

  • 年収を最大化したい場合: 短期案件で単価を引き上げつつ、空白期間が出ないように長期案件をベースにする
  • 安定を優先したい場合: 長期案件を主軸にし、スポットの副業案件を並行する

複数の収入源を確保し、長期契約とリテンションの高いクライアントとの関係構築を行うことで、フリーランスとしてのキャリアを安定化させることが可能になります。

【参考・出典】

4. SIer案件と自社開発案件のスキルアップの観点からの違い

フリーランスエンジニアにとって、案件を通じて得られるスキルは将来のキャリアを大きく左右します。SIer案件と自社開発案件では、身につくスキルの種類や深さが異なるため、自分の目指すキャリアに応じて選ぶことが大切です。

4.1 SIer案件で得られるスキル

SIer案件では、多くの業界にまたがるシステム開発に携わり、 業務要件のヒアリングから標準化・最適化まで一連の流れを経験できます。特に、次のようなスキルが磨かれます。

  • プロジェクトマネジメント能力:複数ベンダーや顧客部門と調整し、大規模プロジェクトを期限内に進行させる手法が身につきます。
  • 要件定義・基本設計のノウハウ:業務フローの可視化や、非機能要件(性能・可用性・セキュリティ)を含めたドキュメント作成スキルが向上します。
  • レガシー技術の保守・改修:COBOLやPL/SQLなどのレガシー言語を扱うことで、"古い資産"の理解とリファクタリング手法を学べます。
  • 品質管理・テスト設計:ウォーターフォール開発におけるテスト工程で、テスト計画・仕様書作成・自動化スクリプト導入の経験が得られます。

これらのスキルは、SIer案件に特有の**「QCD(品質・コスト・納期)管理」**を支える基盤となり、企業の上流工程やコンサルティング寄りのキャリアにもつながります。

要件定義や関係者調整が得意なら、開発だけでなく業務委託Webディレクターとして案件を取る道もあります。

4.2 自社開発案件で得られるスキル

自社開発案件では、企画段階からプロダクトローンチ、グロース施策まで一貫して携わる経験ができます。特に、以下のスキルが身につきやすいです。

  • プロダクトマネジメント:KPI設計やABテスト結果を分析し、ユーザーリテンション改善の施策を立案・実行できます。
  • UX/UIデザインとの協働:デザインチームと連携し、ユーザビリティテストの結果をコードに落とし込むサイクルを体験できます。
  • 最新技術のキャッチアップ:マイクロサービス化、コンテナ技術、サーバーレスアーキテクチャなどを実践的に学べます。
  • DevOps/CI・CDパイプライン構築:GitHub ActionsやJenkinsを活用し、開発効率・デプロイ頻度の向上に貢献できます。 自社開発では、「ユーザーへの価値提供」を最優先に意思決定が行われるため、エンジニア自身がユーザーフィードバックを受け取り、改善案を実装する機会が豊富です。これにより、サービス志向の強いエンジニアリングスキルが身につきます。

4.3 AI・最新技術に触れやすいのはどちらか

AIや最新技術に触れる機会は、一般的に自社開発案件のほうが多い傾向にあります。スタートアップや成長フェーズの企業では、競争優位性を高めるために積極的に生成AIや機械学習を導入する事例が増えています。

  • 自社開発では、PoCフェーズから本番環境まで幅広くAIモデルを扱い、MLOpsのパイプライン構築にも携われるケースがあります。
  • SIer案件でも、巨大顧客のDX支援の一環でAIプロジェクトに参加できるチャンスはありますが、要件や予算によって限られることが多いです。

2025年の市場動向を確認すると、AIエンジニア需要は引き続き高水準で推移しており、自社開発企業のほうがAIチームを社内に持ちやすいため、最新技術の実務経験を積むなら自社開発案件のほうが機会が多いと言えます。

実際に生成AIやLLM案件でキャリアを作っていきたい方は、aiエンジニア フリーランスの記事で、必要スキル・案件事例・単価イメージを具体的にチェックしておきましょう。

【出典・参考】

5. SIer案件と自社開発案件の単価・報酬の違い

フリーランスエンジニアにとって、単価や報酬は生活に直結する重要な要素です。単価相場だけでなく、契約更新のしやすさや安定性も含めて、SIer案件と自社開発案件の違いを整理してみましょう。

5.1 SIer案件の単価相場と安定性

フリーランスエージェント各社の公開データによると、SIer案件の月額単価は60〜80万円程度が目安とされており、大規模システム開発プロジェクトが多いため、長期的に安定した単価を見込める傾向があります。

  • 報酬体系は、企業と請負契約を結び月額で固定報酬を受け取る形態が基本です。
  • 単価交渉の余地:担当工程(上流工程は高単価)、言語・フレームワーク、業界(金融・公共分野は高単価)によって上下します。 安定した収入を重視する方には魅力的ですが、 単価交渉の余地は少なく、契約更新時もプロジェクト予算に依存しやすい点は注意が必要です。

他の職種・技術スタックと比較して自分の立ち位置を確認したい場合は、エンジニア 年収 ランキングの記事で、市場全体の年収レンジを俯瞰しておくと交渉の目安が立てやすくなります。

【参考・出典】

5.2 自社開発案件の単価相場と柔軟性

自社開発案件の一般的な単価相場は、スタートアップでは60〜80万円、成長企業や上場企業では80〜120万円程度と幅があります。

  • 成果連動報酬:インセンティブやストックオプションが用意されるケースもあり、プロダクトの成長に応じて報酬が上乗せされることがあります。
  • 単価交渉の余地:一次請け案件が多く、自社プロダクトへの直接貢献度をアピールすることで高単価交渉がしやすい傾向にあります。 リスクとしては、プロダクトの資金調達状況や事業フェーズにより契約期間や単価が変動しやすいため、事前に資金計画や事業ロードマップを確認することが大切です。

フリーランスとしてのキャリア全体でどれくらいのフリーランス エンジニア 年収を狙えるのかは、同記事でモデルケースを押さえておくと具体的にイメージしやすくなります。

5.3 単価以外の報酬条件(契約更新・長期契約のしやすさ)

SIer案件

  • 契約更新はプロジェクト単位
  • プロジェクトが延長される限り継続可能だが、終了時は次のプロジェクト参画が必要
  • 更新タイミングでの単価交渉は難易度が高いことが多い。

自社開発案件

  • プロダクトのライフサイクルに合わせて契約が変動。
  • 深く関与し続けることで、長期的に契約更新しやすい関係を築けるケースが増加。
  • ストックオプション業績連動型ボーナスといった、自社ならではの報酬制度を活用可能

どちらの案件を選ぶ場合も、契約書の期間・単価見直し条件・中途解約時の補償など、細かな条項を確認し、リスクを低減することが重要です。

なお、表面上の単価だけでなく「税引き後にいくら残るか」を把握するには、フリーランス確定申告 経費の記事で、経費計上や節税の基本も必ず押さえておきましょう。

6. SIerと自社開発の違いがキャリア形成に与える影響

フリーランスエンジニアとしてどのような案件を選ぶかは、将来のキャリア形成に大きな影響を与えます。SIer案件と自社開発案件が、あなたのキャリアにどのような影響を与えるかを考えてみましょう。

6.1 SIer案件がキャリアに与える影響

SIer案件で得られる幅広い業界知識や大規模システム開発の経験は、将来のマネジメント寄りキャリアを目指す際の貴重な土台になります。 具体的には:

  • プロジェクトマネージャー(PM)やITコンサルタントへのステップアップがしやすくなります。 実際、フリーランスPMの平均単価は81万円程度と高単価です。
  • 複数ベンダーの調整や厳格なQCD管理を体験することで、組織運営や部門横断プロジェクトをリードする力が身につきます。
  • 官公庁・金融業界など、要件定義やセキュリティ要件が厳格なプロジェクトに数多く参画できることから、姿勢やマインドセットが洗練されます。 一方で、技術トレンドの迅速なキャッチアップは自社開発に比べやや難しくなる場合があるため、自身でキャッチアップ環境を整える(勉強会参加やオンラインコース受講など)ことが推奨されます。

6.2 自社開発案件がキャリアに与える影響

自社開発案件では、プロダクト志向のキャリアを築くために必要な経験を得やすいのが特徴です。 特に:

  • CTO(最高技術責任者)やVPoE(技術部門責任者)**を目指す方にとっては、ゼロ→1の立ち上げ経験やグロースハック施策を主体的に推進した経験が大きなアピールポイントになります。
  • スペシャリストとしての市場価値向上が期待できます。 生成AI、ブロックチェーン、IoTといった先端技術領域で専門性を深めると、希少性の高い人材としてオファーを得やすくなります。
  • ストックオプションや成果連動報酬を通じて、自社サービスの成長にコミットすることで、長期的なインセンティブを享受できます。 成長企業では、プロダクトマネージャーとエンジニアのハイブリッドスキルを持つ人材が重宝されており、エンジニアリングだけでなくビジネス面にも関われる機会が増えています。

6.3 フリーランスが考えるべきキャリア戦略のヒント

長期的なキャリア戦略を描くためのポイントは以下の通りです。

  1. 目指すゴールを明確にする 自分が数年後に「何をしていたいか」「どんな肩書きを持ちたいか」をイメージし、そこから逆算して必要なスキルセットや経験を洗い出しましょう。
  2. ポートフォリオの戦略的構築 SIer案件での大規模プロジェクトの役割や自社開発案件でのプロダクト成長への貢献実績を成果ベースで整理し、外部に示せる形(成果レポートやGitHub実績)でまとめると、次の案件獲得がスムーズになります。
  3. ハイブリッドな経験を積む 最初にSIer案件で基礎的な設計・要件定義スキルを磨き、その後自社開発で最新技術やスピード感ある開発スタイルを経験すると、幅広いポジションに対応できる人材になれます。
  4. 学習とネットワークの両輪 自己学習(オンライン講座、勉強会)と並行して、エージェントやコミュニティに積極参加し、最新案件情報や将来性のある技術領域の動向をキャッチアップしておきましょう。
  5. リスク管理とキャッシュフローの確保 案件の複数並行や長期・短期案件の組み合わせにより、空白期間の発生を防ぎ、安定したキャッシュフローを保つ工夫をしましょう。 これらの視点を取り入れ、自分自身の成長と市場価値の向上を同時に進めることで、フリーランスエンジニアとして充実したキャリアを築くことができます。

「今の会社にどれくらい在籍してから独立すべきか」「いつがベストなエンジニア 独立タイミングなのか」が気になる方は、エンジニア 独立タイミングの記事で、経験年数別の判断軸や失敗パターンも確認しておくと良いでしょう。

7. SIerと自社開発の違いを踏まえた案件選びの判断基準(プロセス編)

ここまでSIerと自社開発の違いを見てきましたが、実際に案件を選ぶ際にはどのような思考プロセスで進めれば良いのでしょうか。あなたの優先順位に合わせて、案件選びの判断基準を整理してみましょう。

7.1 単価重視で選ぶ場合

単価を最優先したいなら、まず自分の市場価値を正しく把握することが大切です。Track Worksでは、以下のステップで高単価案件を効率的に探せます。

  • スキルチェックで数値化 自社が開発・提供しているコーディングツール「Track Test」を使い、ご自身の実践的なコーディングスキルやアルゴリズム力をオンラインテストで可視化でき、スキルを客観的に証明できます。
  • 一次請け案件の豊富さ Track Worksでは直契約の自社開発企業案件を多数取り扱っており、バックエンド/フロントエンド/AI領域など、さまざまな高単価案件が掲載されています。
  • 専属コンサルタントによるマッチング 専属コンサルタントがあなたの希望条件やスキルセットをもとに案件を提案します。
  • 顔合わせ面談サポート 企業ごとの選考方針に合わせて、事前にアジェンダや訴求ポイントを整理し、必要に応じてCAが同席いたします。

このように、Track Worksでは「スキル可視化 → 高単価案件紹介 → コンサルタントサポート → 顔合わせ面談サポート」という流れで、無駄なく高単価を狙うサポートを提供しています。フリーランスとして市場価値を最大化したい方は、まず無料登録から始めてみてください。

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7.2 スキルアップ重視で選ぶ場合

スキルアップを重視するなら、どの技術や領域を深めたいのかをまず明確にします。

  • AI・機械学習やクラウドネイティブなど注目分野では、PoC案件やR&D案件が少数精鋭で募集されており、先端技術に触れる機会が増えています。
  • アジャイル/スクラム文化の有無コードレビュー体制が整っているかどうかは、求人票や企業サイト・エージェント面談で必ず確認してください。
  • 学習支援制度(書籍購入補助や技術カンファレンス登壇支援)を提供する自社開発企業もあり、開発時間以外の学びにも投資してくれるかをチェックすると良いでしょう。 金額面で多少妥協が必要でも、半年〜1年で習得できるスキルが将来的に大きなリターンを生む場合があります。長期的視点で案件を選ぶことがポイントです。

7.3 働き方重視で選ぶ場合

リモートワーク、週3日稼働、副業との両立など、働き方を最優先するケースでは、以下の点に注意しましょう。

  • リモート比率:2025年8月時点で、高単価自社開発案件のうちフルリモートは約35%、一部リモートは約50%。リモート可能かを確認し、出社条件や頻度を明確にしましょう。
  • 稼働日数・時間帯:週3日稼働可案件は全体の約20%。希望日数を求人検索フィルタで指定し、平日夜間や週末のみ可否もエージェントに確認してください。
  • コミュニケーション手段:オンラインMTGの頻度やSlack/Teamsの利用ルール、タイムゾーンなど、契約前にすり合わせを行いましょう。
  • 副業許可の有無:企業側の就業規則や秘密保持契約(NDA)で副業が制限されないか事前に確認することが必須です。 これらを踏まえ、自分のライフスタイルと案件条件をマッチングさせることで、心身ともに無理なく働く環境を手に入れることができます。

8. SIer案件と自社開発案件の違いが分かる比較表+ケーススタディ

これまでの内容をまとめ、SIer案件と自社開発案件のメリット・デメリットを比較表で整理します。さらに、具体的なケーススタディを通じて、フリーランスがキャリアをシフトする際のイメージを掴んでいきましょう。

8.1 SIer案件のメリット・デメリット(表形式)

メリットデメリット
安定した単価と長期稼働の可能性常駐が求められるケースが多い
大規模システム開発の経験が積める技術選定の自由度が低い場合がある
幅広い業界知識や業務知識が身につくレガシー技術を扱うプロジェクトもある
プロジェクトマネジメントスキルが向上する顧客の要望に左右されるため、開発の裁量が少ない
転職時の即戦力として評価されやすいアジャイル開発経験が積みにくい

8.2 自社開発案件のメリット・デメリット(表形式)

メリットデメリット
リモートワーク可能な案件が多い企業のフェーズにより単価に幅がある
最新技術に触れる機会が多いサービス終了や事業撤退のリスクがある
プロダクトへの貢献を実感できる開発以外の業務(運用、企画など)も求められる
技術選定や開発手法の自由度が高い成果へのプレッシャーが大きい場合がある
ストックオプションなど成果連動報酬の可能性スキルアップが自己学習に依存する部分が大きい

8.3 ケーススタディ:フリーランスがSIerから自社開発にシフトする流れ

2025年現在、多くのフリーランスエンジニアがSIer案件で経験を積んだ後、自社開発案件へとキャリアをシフトしています。以下に、実際の成功事例に基づいたシフトパターンを紹介します。

パターンA:段階的シフト(組み込みC → アプリ開発 → Web系)

30代男性・組み込み系SIer出身者の事例

  1. SIerで基礎固め:組み込みCエンジニアとして5年間、製造業・車載システムの開発経験を積む
  2. 関連分野への展開:車載システムの知識を活かし、カーナビアプリ開発案件へ参画(IoT進化に対応)
  3. 技術領域拡張:Android内蔵カーナビ開発を経て、LaravelやVueを習得しWebアプリケーション開発にシフト
  4. フルスタック化:現在は月単価100万円超の高単価Web系案件で活躍

成功要因得意分野から徐々にシフトし、「何を作るのか」という軸を持ち続けたことで、市場ニーズの変化に適応できた点

パターンB:副業からの段階的移行

20代後半・Web系希望者の事例

  1. SIerで実務経験蓄積:要件定義〜テストまでの一連の開発工程を3年間経験
  2. 副業でポートフォリオ構築:週末を使って個人のWebアプリケーション開発、GitHubで成果物を公開
  3. スキルギャップ解消:オンライン学習でReact、Node.js、AWSなどのモダン技術を習得
  4. 本格シフト:ポートフォリオと実績をもとに、エージェント経由で自社開発案件(月単価85万円)を獲得

成功要因リスクを抑えながら段階的に移行し、具体的な成果物で技術力を証明した点

パターンC:AI/最新技術特化型シフト

30代前半・SIer出身AI案件特化者の事例

  1. SIerで上流工程経験:プロジェクト管理や顧客折衝能力を5年間で習得
  2. AI分野への特化学習:Python、機械学習、生成AIを集中的に学習(約6ヶ月)
  3. PoC案件から開始:AIプロトタイプ開発案件(週3日、月50万円)でAI分野での実績作り
  4. 高単価AI案件獲得:現在は生成AI活用サービス開発(月単価120万円)で活躍

成功要因市場価値の高い新興技術に集中投資し、SIerで培ったプロジェクト管理能力と組み合わせた点

成功のための共通戦略

これらの事例から見える成功パターンは以下の通りです:

  1. 既存スキルを活かした漸進的移行:いきなり全てを変えるのではなく、得意分野から隣接領域に展開
  2. ポートフォリオの戦略的構築:技術力を可視化し、GitHub等で継続的に成果物を公開
  3. 市場トレンドへの適応:AI、クラウド、フルリモートワークなど、2025年の市場ニーズに合わせたスキル習得
  4. エージェントの効果的活用:複数のフリーランスエージェントに登録し、最適な案件とマッチング

Track Worksの活用メリット:「Track Test」は出身領域を問わず、実務想定の課題でコーディング力を定量的に可視化します。職歴や肩書きでは伝わりにくい実装力・設計力を客観データで示せるため、バックエンド/フロントエンド/AI領域の高単価案件でも説得力ある自己証明につながります。前職で培った上流工程の経験と最新技術への適応力を掛け合わせれば、市場価値の高いフリーランスキャリアを築けるでしょう。☟

Track Works(トラックワークス)|副業・フリーランス×高単価AI案件|先端技術でキャリアと収入UP)

9. まとめ:SIerと自社開発の違いを理解して自分に合った案件を選ぶために

SIer案件と自社開発案件には、それぞれ異なる魅力と特徴があります。どちらが「優れている」というものではなく、あなたのキャリアプランや働き方の希望によって最適な選択は変わってきます。

案件を選ぶ際は、まず自身のスキルや経験、そして将来どのようなエンジニアになりたいのかを明確にすることが大切です。単価、スキルアップ、働き方など、何を優先するのかを整理し、それぞれの案件があなたの希望にどれだけ合致するかを比較検討してみてください。

情報収集には、フリーランスエージェントの活用が非常に有効です。エージェントは、あなたのスキルや希望に合った案件を提案してくれるだけでなく、契約条件の交渉やキャリア相談にも乗ってくれるでしょう。

納得のいく案件選びは、フリーランスとしての充実したキャリアを築くための第一歩です。この記事が、あなたの案件選びの一助となれば幸いです。

初回公開日2025.9.17
更新日2026.1.21

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