市場価値が高まる今後の「生成AI開発」
「AI時代に自分の市場価値を上げるには?何をすれば良いのか?」
「生成AI開発の分野に興味はあるけれど、具体的な案件参画のイメージが湧かない…」
もしあなたが今、そんなキャリアの悩みを抱えているなら、本記事がその解決のヒントになるかもしれません。
2025年6月26日にTrack Worksが開催したセミナー「フリーランスエンジニアが語る『生成AI開発案件のリアル体験談〜現場で求められるエンジニア像とは?〜』」では、フリーランスエンジニアの大堀 遼介さんにご登壇いただきました。このセミナーでは、大堀さんがこれまでどのようなキャリアを築いてこられたのか、実際にどのような生成AI開発案件に携わってきたのか、そして現場で求められるエンジニア像についてお話しいただきました。本記事では、その内容を改めてご紹介します。
バックエンド開発の経験を活かしてAIエンジニアへのキャリアチェンジを目指したい方、今後生成AI開発案件に挑戦したい方はぜひ最後までお読みください。
ご登壇者のフリーランスエンジニア 大堀氏のご経歴
株式会社ウルスエイジ CEO PM/AIエンジニア
大堀 遼介氏

情報理工学を専攻し、SEからデータサイエンティストへとキャリアを発展させた経歴を持つ。KADOKAWAでのSE職を起点とし、富士通グループ会社でDB設計・DBA業務に従事。その後、TOYOTAやHONDAのコネクティッドカー研究開発プロジェクトに参画し、地理空間データを扱うMaaS企業でSE・データサイエンティストとしての実績を積む。株式会社ABEJA、株式会社GRID、株式会社DATAFLUCT経て、現在は株式会社PKSHA TechnologyにてAIエンジニアとして活動中。また、株式会社PeopleDot(旧Datamix)にて統計学入門・AI関連の講師も兼業している。近年は生成AI関連の開発に注力し、最先端技術の実用化に取り組んでいる。SEとしての豊富な経験を基盤に、データサイエンスの分野で新たな価値創造に挑戦している。
1. 急成長する生成AI市場の現状と未来
ーはじめに、生成AI市場の現状と今後の展望について、大堀さんの見解をお聞かせいただけますでしょうか。
生成AI市場は、今、世界的に急速な拡大を続けています。2023年の市場規模は前年比150%増を記録し、2030年までには現在の10倍以上の成長が予測されています。
市場の成長は「前例のない急成長」であり、多くの産業分野でまだ手つかずの革新的なサービス領域が広がっています。特に注目すべきは、生成AI関連案件の報酬です。
クラウドワークスのデータによると、一般的なITエンジニアの年間報酬が約430万円であるのに対し、生成AI関連案件では約1,500万円と、実に3.5倍ものギャップがあることが示されています。この数字は、フリーランスとして非常に魅力的なものであり、生成AI領域がまさに「高単価案件の宝庫」であることが分かります。スタートアップやベンチャー企業であっても潤沢な報酬が支払われる傾向にあるとのことです。この成長市場に参入するなら「今」が絶好の機会と言えるかもしれません。
- 出典)株式会社クラウドワークス「生成AI/非生成AI関連 エンジニア報酬比較」:https://generative-ai.web-camp.io/courses/engineer/(2023年12月25日公開)
2. AI開発案件の未経験から最前線へ!大堀氏のキャリアストーリー
ー大堀さんは現在、様々な生成AI開発案件をご経験されてきたかと思いますが、これまでの大堀さんはどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
SE(システムエンジニア)としてキャリアをスタートしました。KADOKAWAでのデジタルコンテンツ開発や富士通グループでのDB設計・DBA業務を通じて、エンジニアとしての基盤を固めました。
特筆すべきは、修士号を持たずにデータサイエンスの分野に挑戦し、独学で専門知識を習得した点です。当時はUDEMYのような学習プラットフォームもなかったため、本を買い漁り、論文を読み込むことで、統計学や機械学習の知識を培いました。
その後、TOYOTAやHONDAのコネクティッドカー研究開発プロジェクトへの参画、そして講師経験を通じて、複雑な概念をアウトプットすることで自身の知識を体系化し、AIエンジニアとしての業務を飛躍的に増やしていきました。
「生成AIになってからは、生成自体に壁打ちとかができるので、障壁は正直かなり落ちた」とのこと。**「AIのニューラルネットワークなどの知識をそこまで求めなくても実践実装できちゃったりする」**という言葉は、AIへのハードルがぐっと下がったように感じられたのではないでしょうか。バックエンドエンジニアの知識もAI開発には不可欠であり、今やフロントエンドエンジニアにもチャンスが広がっているとのこと。あなたのPythonスキルやAWSを用いたインフラ構築の経験は、AI分野でも大いに活かせるはずです。
3. 生成AI開発案件のリアル体験談
ーでは、実際にどのような生成AI開発案件があるのでしょうか?大堀さんがこれまで携わってこられたプロジェクトについて、いくつかご紹介いただけますでしょうか。
主な案件の種類としては、以下の4つに分類できます。
- 特化型Copilot: 独自データを活用し、特定の業務に特化したチャットボットを開発する案件。例えば、企業の社内ドキュメントをRAG(Retrieval-Augmented Generation)システムで活用し、回答精度を向上させるプロジェクトなどがあります。
- AIエージェント: 自律的にタスクを実行するAIエージェントの研究開発プロジェクト。複雑な業務判断を支援する意思決定エンジンと自然言語処理を組み合わせ、業界特化型の問題解決能力を持つAIを実現します。
- 特化型生成AI: 特定の目的のためにファインチューニングされた生成AIモデルを開発する案件。画像生成AIでより精度の高い画像を生成したり、生産ラインの非効率性を検出し、リアルタイムで最適化提案を行うAIシステム開発などがあります。
- 要約・翻訳: 技術文書の多言語処理システム開発や、専門用語に強い自動翻訳、要約機能の開発など。特に専門用語や業界特有のイディオムを理解し、適切な出力をさせるためのチューニングが重要になります。
また、Track Worksからご紹介いただいた案件としては、自動車の2D/3Dデザインを生成し、自動車のデザイン部門とハードウェアエンジニアリング部門間のコミュニケーションのインタラクティブ性を向上し、デザイン調整コストを下げるような生成AIシステムのPoC開発案件で、AIエンジニアとPMを務めました。
ー いわゆる従来のAI開発案件と、生成AI開発案件では、どのような違いを感じますか?
生成AI開発案件では、AIのニューラルネットワークなどの知識をそこまで求めなくても実践実装できる側面があります。フレームワークやプラットフォームの進化により、プロダクトを作りやすくなり、成功確率も高まっており、これはAI開発案件未経験のエンジニアにとってチャンスと言えるでしょう。
4. 現場で“選ばれる”生成AIエンジニア像とは?
ーでは、生成AI開発案件で活躍し、“選ばれる”エンジニアになるためには、どのようなスキルやマインドセットが必要なのでしょうか?特に重要だと感じられる点は何でしょうか?
私が特に重要だと考えるのは、以下の4つの要素です。
- 先行研究・キャッチアップ力
生成AIの技術進化は目覚ましく、常に最新情報をキャッチアップするアンテナと能力が不可欠です。論文を読み解く力はもちろん、AI関連の学会やイベントに足を運び、最先端の技術動向や開発思想を肌で感じることも重要です。
- 技術選択・実装力・評価
解決したい課題や組み込みたいサービスに応じて、最適な技術を選択する能力が求められます。OSS(オープンソースソフトウェア)を使うのか、PaaS(Platform as a Service)を使うのか、予算や要件に合わせて柔軟に判断する必要があります。
画像引用元:
- https://www.atled.jp/wfl/article/37431/
- https://blogs.nvidia.co.jp/blog/what-is-mlops/
- https://hacarus.github.io/interpretable-ml-book-ja/ice.html
バックエンドの実装力は、生成AI案件においても非常に重要です。アジャイル開発やDevOpsの知識も役立ちます。また、生成AIが出力した情報が正しいか、リスクがないかを適切に評価する能力も不可欠です。
- 様々なビジネスドメインへの対応力を高める
ーAIエンジニアは、様々な業界の課題解決に携わるとのことですが、ビジネスドメインへの対応力とは具体的にどのようなことでしょうか?
各業界特有のドメイン知識を理解し、ビジネス課題を深く掘り下げて、AIソリューションに結びつける力が求められます。
例えば、金融業界であれば有価証券報告書の見方、クライメートテックであれば「スコープ1, 2, 3」といった専門用語の理解が、精度の高いモデル構築に繋がります。
- 生成AIの仕組み理解力
ーTransformerモデルなど、生成AIの基盤技術の本質を理解することも重要だとおっしゃっていましたね。この仕組みの理解は、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
これは、単にAIツールを使うだけでなく、その内部で何が起きているかを理解することで、より高度な問題解決や、既存のモデルを自社の課題に合わせて最適化する能力が身につくということです。
例えば、モデルの出力が期待通りでない場合に、どのパラメータを調整すれば良いか、どのようなデータを与えれば精度が向上するかといった判断が、仕組みを理解していることで可能になります。このような深い理解は、単なる利用者に留まらず、イノベーションを創出し、ビジネス価値を最大化する上で不可欠なスキルと言えるでしょう。
まとめ:あなたのポテンシャルを活かし、生成AIエンジニアへ
今回のセミナーを通じて、生成AI市場がフリーランスエンジニアにとって大きなチャンスであること、そしてAI未経験からでも最前線で活躍できる道があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
「何から手をつければ良いか分からない」と感じていた方も、大堀氏が語る「選ばれるエンジニア像」を参考に、具体的な学習ロードマップを描けるはずです。Udemyのような学習プラットフォームがなかった時代に独学で苦労されたと語っていますが、現在はオンラインコースや学習プラットフォームが充実しており、統計学やデータサイエンス、AIの基礎を体系的に学ぶ環境が整っています。 論文を読み解く力や、講師経験を通じて知識を体系化するアウトプットの重要性も示唆されており、これらを参考に学習を進めることができるでしょう。
「Track Works」では、他では見つけにくい、独自に保有する高単価の生成AI開発案件をスキルやご経験に合わせてご紹介し、安心して取り組めるようサポートいたします。さらに、案件のご紹介に加えて、AI技術の最新動向やこれからのエンジニアキャリアを考えるセミナーも開催しています。案件探しとあわせて、ぜひご活用ください。
📌 募集背景 弊社ではChatGPTを活用した法人向けプラットフォーム「旧法人GAI(現:MANA)」をはじめ、 延べ1000社以上に自社開発のAIサービスを提供し、生成AI市場のパイオニアとして数多くのDX支援に取り組んできました。 導入企業例 :ANA、Zoff、マイナビ、メルカリ、LIFE、GEO、パーソル、トヨタ、ほっかほっか亭など。 こういった知見を活かし、以下のようなプロジェクトを推進するラボ型開発サービス「Givery AI Lab」を発足しております。 PoCプロトタイプ開発・実装 RAG精度改善・LLM実装 生成AIの専用環境開発 このような背景から、弊社顧客のAIプロジェクトのチームの一員としてプロジェクトを推進いただけるエンジニアを募集しております。 📌 プロジェクト例 複数ポジション発生しているため、ご経験やスキルに合わせてご提案させていただきます。 〇 【AIエンジニア】フルリモート|RAG活用|プロンプト設計・データ整形の改善支援 汎用的なRAG(Retrieval-Augmented Generation)の活用と運用を目的に、 社内データの整備・最適化を進めるプロジェクトです。 データ要件定義、プロンプト設計、精度検証、業務特化データのノウハウ形式化などを通じて、グローバルで活用可能な仕組みを確立します。 期間 :3か月 稼働量 :週5日|160時間/月 単価 :400,000円~1,200,000円 / 月(5,000円~7,500円 / 時)※応相談 働き方 :フルリモート 〇 【AIエンジニア】フルリモート|FAQヘルプデスクAIモデルの精度向上プロジェクト 企業のヘルプデスク(FAQ)におけるAIモデルのファインチューニングプロジェクトです。 現在のモデルの正答率が低く、更なる精度向上を目指して取り組みを開始します。 期間 : 3か月 稼働量 :週3日|80時間(平日日中稼働) ※ご相談の上、稼働量の増加をお願いする可能性がございます。 単価 :400,000~480,000円 / 月(5,000円/時~6,000円/時)※応相談 働き方 :フルリモート 〇 【AIエンジニア】フルリモート|単月|Dify環境のPoC&生成AI活用研修の実施 各部署で重複したシステム開発が発生し開発生産性が低下している課題を受け、 Dify環境を活用して仕様書や設計書の関連性をAIで可視化し、開発プロセスを効率化を目指しています。 また、PoCによる具体的なソリューション検証と、生成AI活用研修を実施し、業務改善を目指します。 期間 : 単月 稼働量 :週5日|160時間/月(平日日中稼働) 単価 :800,000円/月~(5,000円/時~)※応相談 働き方 :フルリモート ✨ 本ポジションの魅力 ① 生成AI技術など最先端技術を活用した開発案件に参画できる! 弊社では、自社プロダクトである「Track」「DECA」「MANA」におけるデータ基盤を活用し、独自の大規模言語モデル(LLM)開発や、AIエージェント開発を積極的に行っています。 また、AIマーケティング支援ツール「マーケGAI」、AI面接支援ツール「Track AI Interview」の開発など、生成AI技術を活用した新たなプロダクトの開発 にも取り組んでおります。 このように多くの開発実績を保有することから、様々な企業から注目をいただき、「生成AIに強いギブリーなら、きっと何かできるはず」と期待を寄せられ、プロジェクトをお任せいただく機会が非常に多い点が、当社の大きな強みです。 さらに、ギブリーならではの広いネットワーク を活かし、他社では実現が難しいハイレベルな開発案件や新しく革新的な挑戦の場を数多く保有しています。 ▼仕様技術概要 ▼仕様技術概要 生成AIモデル:GPT-5、GPT-5 Thinking、GPT-5 mini、GPT-5 nano、OpenAI o3、OpenAI o4-mini、Claude Opus 4、Claude Opus 4 Reasoning、Claude Sonnet 4、Claude Sonnet 4 Reasoning、Gemini 2.5 Pro、Gemini 2.5 Flash、Perplexity Reasoning(Deep Seek-R1)、Perplexity Pro、Perplexity 等 使用ツール / プラットフォーム:Dify、LangChain、Amazon Bedrock、Vertex AI 等 ② 社会的インパクトを与え、市場価値の証明ができる! 弊社では、自社でのAI活用実績から、様々な企業様から開発企画フェーズからのご相談を受けています。 単なる実装にとどまらず、課題を発見し、プロジェクト全体を通してソリューションを提案すること ができます。 エンジニアに対しても、これまでの経験や得意領域を活かしつつ、今後伸ばしていきたい分野を踏まえた最適な提案を行っています。 決められた要件でのアサインではなく、志向性や成長目標に向き合うことで、キャリア形成につながる環境を提供 しています。 実際に参加したエンジニアからは、「生成AI技術には興味があり自己学習を続けていたものの、実務経験を積む機会がなく、今回のプロジェクトで身につけられた。今ではその経験が強みとなり、新しい案件に繋がっている」という声も届いています。 ▼過去事例 <自動車・住設メーカー向けAIソリューション開発> 生成AIを活用した業界特化型のソリューション開発を実施 自動車設計 - テキストデータ、画像データから、3D図面の作成や新規自動車の提案をするAI 商品提案 - ユーザペルソナ情報、住宅情報など、ショールーム来訪顧客に対して、 - 顧客情報や会話から最適なプランを提案してくれるAIエージェントを構築 <専用環境構築:大手銀行様> 現場のニーズを踏まえた「適切な情報管理」「社内独自の文書やデータの取り込み」などの専用環境構築 実施内容 - 導入、活用のための伴走支援 アドバイス&コンサルティング - 全社員・役員向け生成AI研修 - 自社専用環境の構築・音声AIを活用した業務効率化 得られた成果 - 働き方改革拡大、DX人材育成、全社員の意識改革に貢献 <社内プロダクトへのAI実装:弊社> ChatGPTを活用した法人向けプラットフォーム「旧法人GAI(現:MANA)」や生成AIで業務を効率化するAIマーケティング支援ツール「マーケGAI」、デジタル人材育成プラットフォーム「Track」のAI機能実装 実施内容 - ユーザペルソナ作成から商品開発や検索広告文作成などを提案するAI機能の開発 ③ グループ会社 / パートナー / GAFAM出身の開発エンジニアと連携できる! 弊社は、多様なステークホルダーとの強固なネットワークを活かし、各分野のスペシャリストと連携しながら開発案件を遂行しています。 株式会社Resola(ディープラーニング・自然言語処理の専門性を保有) 株式会社セキュアサイクル(情報セキュリティ分野に特化したナレッジを保有) 大学教授陣・株式会社Galirage(AI戦略や生成AIシステム開発をサポート) GAFAM出身のエンジニア(グローバルな技術知見を提供) これらの連携により、プロジェクト内での知識共有や伴走支援が可能です。 チームで解決が難しい課題についても、各領域のスペシャリストの力を借りることで、迅速かつ的確に対応できる環境 を整えています。 🏢 会社概要 株式会社ギブリーは、2009年創業のテクノロジーカンパニーです。「日本をデジタル大国として再生する」をミッションに、生成AIの企業活用推進とDX支援サービスを提供しています。 グローバルな開発力と事業創造力を強みに、4事業部門で20以上のサービスを展開。 大手企業やテック企業の課題をAIとデータで解決しています。
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